4月は、中学から高校へ、高校から大学へ、そして社会人へと、新たな人生がスタートする月です。新しい環境は、希望と不安が同時に存在しているとも言えます。
実際、環境が変わり「5月病」や「6月病」で悩まされる人がいます。新しい環境や人間関係になじめず、ストレスがたまり、やる気がなくなったり塞ぎこんでしまう人が、最近急増しているそうです。
悪化すると「うつ病」や「適応障害」となったり、体の調子を崩してしまったりするので注意が必要です。
心の病気を防ぐには、レジリエンスを鍛えることだといいます。レジリエンスとは、「復元力、耐久力」という意味で、多少のことがおきてもへこたれない逆境に強い心のことをいいます。
強い心とは、柔軟性のある「しなやかな心」だといいます。レジリエンス思考をもてば、自分を見失わず、危険を柔軟に回避し、ポジティブな発想と行動ができるようになるそうです。
「最悪の事態を考えて計画し、実行は楽観的にする」といいそうですが、そう簡単にはいかないですよね・・。
4月11日放送「世界一受けたい授業」では、健康心理学の専門家 小玉正博先生が、「うつ病を防ぐレジリエンス」「折れない心の育て方」を教えてくれました。
世界一受けたい授業で紹介していたレジリエンス
今、精神的に問題のある人が増えていて、小学生の12人に1人、中学生の4人に1人がうつ病の危険性があると言われているそうです。
そこでレジリエンスという考え方が注目を浴びています。
2014年メダルを期待され多くのミスをしながら、翌日完璧な演技をした浅田真央さんの回復力は、まさにレジリエンス。世界中の選手が驚いたそうです。
欧米では、2000年頃からレジリエンスを鍛えるプログラムが学校でも取り入れられています。レジリエンスは持って生まれたものや、特別なものではなく学習によって誰でも身につけ高めることができるのです。
レジリエンスが高いか、低いかは、難易度の高いけん玉の技を30分挑戦させたときの行動でチェックできます。
●レジリエンスが高い人
・気分転換をうまくしながら黙々とやる人
・あきらない人
・いつかできると楽天的な人
・前向きの言葉をいう人
●レジリエンスが低い人
・一喜一憂する人(気持ちがコントロールできてない)
・だめだーなどネガティブな言葉をいう人
・諦めの気持ちになってしまう人
●レジリエンスを高める方法
①1日5、6食の食事にする。
3時間おきにこまめにするとブドウ糖のレベルが安定するため、レジリエンスが高まります。ただし、6食にする分、1回の食事量を減らさないと肥満になってしまうので注意が必要です。
②目標を設定し運動をする
ランニングをする時には、時間や距離を決め行うと終了時に達成感を得ることができます。達成感は、ドーパミンやセロトニンなど幸せホルモンが分泌され心が安定します。
アメリカにある世界的な製薬会社が3時間おきの食事やランニングなど、レジリエンスプログラムを行ったところ、社員の8割の心の健康状態がアップし、仕事の能率も上がったそうです。
一流のスポーツ選手は、レジリエンスが高いことで知られています。プロバスケットボール選手のマイケル・ジョーダン選手は・・
「試合に負けたことは一度もない、ただ時間が足りなかっただけだ」
「運命よ。そこをどけ。オレが通る」などの名言を残したそうです。さすがに天才的な精神力です。
最近では、錦織圭選手のがすごいですよね。きっと、錦織圭選手のような人が、レジリエンスが高い人というのでしょうね。