年末になりますと、忘年会、クリスマスパーティ、正月と、飲み会やパーティが続き胃腸の調子も悪くなってしまいますよね。

でも、本当に心配なのが、肝臓です。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように痛みや自覚症状はまったくありません。

自覚症状がでてきた時には、もうかなり進行してしまっていることが多いそうです。

怖いのは、肝機能が低下していくと、脂肪肝、肝炎、肝硬変、そして、最後には肝臓がんという経緯をたどってしまうことです。

そこで、今回は、健康診断の血液検査の見方、健康度のチェック、肝臓にやさしい食事や運動のコツなどをしっかり教えてくれます。

肝臓病の名医は・・

・脂肪肝 横浜市立大学 中島 淳先生
・生活指導 慶應義塾大学看護医療学部 加藤 眞三先生
・肝炎 国立国際医療研究センター肝疾患研修室 是永 匡紹先生

お酒に強い人は、肝機能が丈夫と思っている方が多いのですが、お酒に強いということと、内臓が強いということは関係ないそうです。

かえって、お酒の強い人は臓器がやられやすいそうです。肝臓に悪影響の3つの要因は、①アルコール ②食べ過ぎ ③ウィルスです。

アルコールが原因で肝臓が悪い人は・・・

・肝臓の健康診断を受けてください。

血液検査データの見方
AST(GOT) ALT(GPT)γ-GTPの3つのデータが肝臓の状態を示します。

AST、ALTは肝臓がどれくらい壊れているを示す数値です。γ-GTPは、肝臓がどれくらいアルコールを処理しているかの指数となる数値です。

血液検査で異常が見つかると、超音波検査を行います。肝臓の形、脂肪がたまっているかどうかを診断します。

脂肪肝になると、肝炎になり、肝硬変になって取り返しのつかない状態になります。

アルコールで肝臓を壊した人は・・・

健康な肝臓を取り戻すにはアルコールをやめることが必要です。

・節酒のコツ

家にお酒を置かない。水などでお腹を満たす。まわりの人に節酒を伝える

お酒を飲まないのに肝臓が悪い人は・・

食べ過ぎによって、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)がおきています。NASHは、この10年間に増えてきた病気で、日本には、推定150万~300万人いると言われています。

食べ過ぎと肝臓に脂肪がたまり、それにある刺激が加わると肝炎に進行します。その刺激とは、腸内細菌、歯周病、インスリン過剰です。NASHになると、脳卒中や心筋梗塞になる危険性も高まります。

・NASHの治療方法は・・・

食べ過ぎない、やせることが必要です。肝臓にやさしい食生活は、タンパク質が少なくて、鉄分が少ない食事です。

NASHの患者さんは肝臓に鉄分が溜まりやすいく、鉄分が溜まると肝臓の炎症がさらに進むことになるので注意が必要。

レバーは、栄養価が高くタンパク質も鉄分も多いので肝臓の悪い人は食べるのを控えることが必要です。

ウィルスで肝臓が悪い人は・・

特にB型、C型に感染してしまうとNASHと同じように慢性肝炎、肝硬変と進行してしまいます。

・ウィルスの治療方法は・・・
抗ウィルス剤を使った薬物治療です。

日常生活で気をつけること

肝臓が悪い人は絶対安静だったのですが、最新治療では、積極的な有酸素運動です。それは、弱った肝臓の機能を筋肉が補ってくれるためで、さらに脂肪を燃焼する効果があるためです。

有酸素運動は、息がきれない程度のウォーキングがおススメということです。肝機能が良くなってくると意識も前向きになってくると言います。

アルコールは、1日1合までなら毎日飲んでも大丈夫だそうです。アルコールの飲みすぎは、肝臓に悪いばかりか、食道がんや消化器系のがんになりやすいので注意が必要ということです。皆さん飲みすぎには注意しましょうね。