変形性股関節症は、60代、70代の女性に多く、高齢者を中心に
年間10万人以上の患者さんが手術に臨んでいるそうです。
関節が痛くて歩けない、立ったり座ったりするのが困難、正座ができない、
などの症状で苦しんでいる人が、人工関節を入れる手術を行うことで
痛みがなくなり、介護士の仕事に復帰した人もいるそうです。
人工関節の手術の対象となるのは、変形性膝関節症や関節リウマチなどで
膝の関節が痛むケース。
骨の損傷した面を取り除き、金属や樹脂でできた人工関節に置き換える
手術が基本です。
手術時間は、1時間半ほど、麻酔が切れてからの痛みも
神経ブロック注射などで抑えることも可能です。入院期間は、リハビリも
入れて3週間~4週間ほど。
手術をするに当たり注意することは、虫歯のある人は前もって治療を
しておくこと。細菌に感染して化膿するとせっかく埋め込んだ人工関節を
取り除かなくてはならないケースもあるそうです。
手術後に気を付けることは、
1.無理に関節を曲げたり伸ばしたりする動作を避ける
2.手術した方の足だけに体重をかけないようにする
3.重い荷物を持たない
人工関節は、その寿命が問題視されていました。装着後にゆるんだり、
樹脂が擦り切れてしまったりすると痛みが出て、もう一度手術を
しなければならなくなります。
しかし、製品の開発が進み、手術法が改善されると人工関節が
長持ちし、手術後10年たってから再手術が必要となる患者は、
膝でも股関節でも5~10%程度にとどまると言います。
(京大、松田教授談)
「人工関節」は、痛くて歩けない高齢者が、介護なく自立して
過ごすための選択肢の一つですね。