自律神経がコントロールしている主な部位は、瞳孔、胃、膀胱、心臓、肝臓、腎臓、すい臓、涙腺、血管、汗腺、唾液腺、生殖器などです。

多くの臓器をコントロールしているため、自律神経が乱れると身体全体に様々な不調が現れます。

この自律神経の乱れの主な原因はストレスと言われています。ストレスは多かれ少なかれ誰でもありますが、自分ではなかなか自覚することができません。

たけしのみんなの家庭の医学で、ストレスで自律神経が乱れているかどうかをチェックする方法を2つ紹介してくれたので、ここでご紹介します。

チェック1 感動する映画を見たとき涙を流すか流さないか

涙を流すような映画、たとえば「ほたるの墓」などを見たとき、涙を流すか流さないか?でチェックできます。

涙を流せている人は自律神経が正常、涙を流せない人は自律神経が乱れている可能性があります。

人は、感情が高ぶると交感神経が高まります。そこで涙を流すと副交感神経が上がり交感神経が下がります。

自律神経が安定するには、このようなメリハリが大切となります。

交感神経が上がり、副交感神経が下がる、交感神経が下がり、副交感神経が上がる、これを繰り返すことで人は自律神経の安定を保つことができるのです。

チェック2 激辛カレーを食べたときの汗のかき方

激辛カレーを食べたときの汗のかき方をチェックすることで、自律神経の状態を確認することができます。

激辛カレーを食べると、辛さの刺激により交感神経が高まり、汗がダラダラとでてきます。

しかし、ある程度食べ続けていると、今度は副交感神経が上昇して交感神経が下がり副交感神経が優位になることで、汗はひいていきます。

自律神経が乱れている人は副交感神経が優位にならないため、食べれば食べるほど汗をかき続けてしまいます。

つまり、汗のかき方をチェックすることで、自律神経が乱れているかどうか(メリハリがない)が分かるのです。

自律神経が乱れると血管年齢が老ける

自律神経の動きは、血圧の異常にも関係していることがわかってきました。血圧の異常は、直接血管の老化へとつながります。

①食事中の血圧
自律神経が正常な人は、食事をしたとき一時的に血圧が上がりますが、その後副交感神経が優位になり血圧は徐々に下がっていきます。

しかし、自律神経に異常がある人は、交感神経が優位になったままなので血圧が下がりません。

②就寝中の血圧
自律神経の正常な人は、起きている時の血圧と寝ている時の血圧には大きく差があります。就寝中の血圧は副交感神経が優位となり、大きく下がってくるのです。

しかし、自律神経に異常のある人は副交感神経が優位にならないため、寝ている間も活動中と同じくらい高い血圧を示してしまいます。つまり夜間高血圧の状態になってしまっているのです。

そのため終始、血管がダメージを受け動脈硬化をススメてしまいます。

つまり、交感神経と副交感神経のメリハリがうまくコントロールできないと、血管年齢がどんどん老化してしまうことになります。

自律神経を改善する簡単呼吸法

特別な呼吸法によって自律神経の乱れを改善することができます。

自律神経を改善する特別な呼吸 横隔膜呼吸

呼吸法には深呼吸と腹式呼吸があります。横隔膜呼吸は、この2つを取り入れた呼吸法で、胸とお腹を同時にふくらませる方法です。

空気を多く取り込めると肺胞の動きがゆっくり大きくなり、副交感神経が高められ自律神経が正常に戻るようになります。

横隔膜呼吸法は、胸の呼吸法と複式呼吸法を別々することでも覚えることができます。

【胸の呼吸法】
①仰向けに寝てひざを立てる

②胸の上に手を置く

③胸が膨らむのを意識し、息をゆっくり吸い込む

④胸がしぼむのを意識し息をゆっくり吐く

これを5回繰り返します。

【お腹の呼吸法】
①脇腹に手を当てる

②お腹の横に手をあて、お腹が膨れるのを意識しゆっくり息を吸う

③お腹がしぼむのを意識し、ゆっくり息を吐く

これを5回繰り返します。

この2つを毎日朝晩1セットずつ繰り返すことで、自律神経が改善していきます。

横隔膜呼吸法は、ヨガや座禅の呼吸法にも似ていますよね。自律神経の不調に悩む人は、ぜひトライしてみてください。