疲労なき疲労という言葉は、ドキッとしますね。何かに集中しているうちにどんどん溜まる疲労。
隠れ疲労がドンドン溜まっていくと、高血圧、糖尿病になったり、心臓疾患、脳疾患を発症する恐れもあるそうです。
また、疲労からくる突然死は社会の大きな問題となりましたね。特に、中高年世代は、疲れが元で突然倒れることもあるので注意が必要です。
今まで、この疲れの正体がよくわからなかったのですが、最近、疲れのメカニズムが解明されてきました。
疲れがたまると、体内に「FF(ファティーグ・ファクター)」というタンパク質が生まれ、また、反対にそれを打ち消すタンパク質「FR」があることもわかってきました。
疲れを回復するには「FR」をいかに生成することができるかです。回復タンパク質「FR」は、ちょっと運動した後の休息時にでてくるそうです。
つまり、「ちょっと疲れさせ」その後休むことがポイントです。また、このFRは、イミダペプチドが含まれる食物から摂取することができ、鶏のむね肉やカジキなどに多く含まれています。
総合医科学研究所所長 杉野友啓先生からのアドバイス
人は活動すると活性酸素がでて、細胞にダメージを与えてしまいます。ダメージを受けた細胞からは疲労の原因のFFがでてたまっていきます。
このFFがたまると脳で疲労を感じるというメカニズムになってます。怖いのは、疲労感なき疲労、隠れ疲労です。
脳の達成感や意欲により、FFがでても前頭葉で疲れを感じずどんどん疲れがたまっていってしまい、結果、あるとき突然倒れてしまうことがあります。
【生活パターンチェック】
1.疲れてときはスタミナ料理で疲労回復
→疲労回復の成分が入ってない。脂肪が多く逆効果になることも
2.ストレスは休日は外で気分転換
→休日は休んで疲労回復に努めるべき。紫外線は疲労を誘導。
3.週に一度の運動でしっかり体力つくり
→ハードな運動はFFを誘導してしまう。ウォーキングがオススメ。
4.ご褒美ひとつで疲れがふっとんでしまう
→期待感によって疲労を増やしてしまう
5.やりがいのあることばかりで充実している
→充実感で次の仕事をこなしてしまう
6.周囲に期待されるとやる気が増す
7.責任感がパワーの源
数字が大きくなればなるほど、隠れ疲労の可能性が高くなります。4番以降は危険度アップ。チェックの数が多ければ多いほど、過労死の危険性があるそうです。
【疲労を回復するためには】
1.FFをケすFRをつくるには、質のいい睡眠をとる。
2.ウィーキング、体操などの適度な運動。
3.緑の香りを(若葉)の匂いを嗅ぐ
4.カツオやマグロ、鳥の胸肉などを食べる。
毎日の生活や仕事に追われていると、ついつい無理をしてしまいます。くれぐれも隠れ疲労にならないように気をつけてくださいね。