全国各地で頑張っている、単身赴任のお父さん。仕事から帰り、疲れた体で、食事から洗濯、掃除まで一人でこなし、家族のいる自宅に戻れるのは、年に数度。
そんな孤独なお父さんを襲う病気の診断です。
40歳の単身赴任男性を襲う病気は
患者さん
建設会社の営業、初めての単身赴任でした。仕事が忙しく残業が多くなってきました。
食事は不規則、ヘビースモーカーです。本社で部下の責任をとり左遷されてきました。
居酒屋で、口元を押さえて痛いと言ってたことがありました。ひとり暮らしの様子は、引越し荷物もそのまま、ほこりだらけでした。
なんとなく元気はなかったです。
朝から調子が悪く、車の中でだるそうで、ぐったりしてました。そんな様子ははじめてでした。それから現場で崩れるように倒れてしまいました。
2週間前に、午前中、はあはあと息をはき苦しそうに、かかりつけの医者にいくと、午後にはすぐに治ってしまうようです。
部屋に掃除機はなし、3食きちんと食べず、体重は3ケ月前から4kg減。時々、家の中で激しい咳き込みをしていました。
ひどい虫歯にもかかって、前日抜歯しました。つらいとき点滴をしてもらうと、すぐによくなります。
仕事中に気分が悪くなって、ずっと、だるくてぐったり、睡眠や食事もよくとれてない状態です。
暑さが原因なのか、夏の炎天下での現場でクラクラして倒れてしまいました。
彼の病気は、はたして・・・
診断を導いてくれる ドクターGは、北里大学東洋医学総合研究所 津田篤太郎先生
ファーストカンファレンス
研修医A 肺炎
・・細菌やウィルスにより起こります。咳や発熱が起こります。
研修医B 気管支喘息
・・ちりやほこりの微生物が体に入ることにより起こります。
研修医C 低ナトリウム血症
・・血液の仲のナトリウムが不足。熱中症や栄養失調でも起こります。
そのほか、慢性閉塞性肺疾患(タバコ肺)、だるくなる病気として、甲状腺機能低下症、肝臓、心不全
セカンドカンファレンス
研修医A 研修医B 研修医C
・・過敏性肺臓炎
特定の物質を吸い込むことによって起こるアレルギーによる肺炎。入院すると改善するが、家に帰ると悪くなる。
点滴は気管支系のぜんそくには速攻力があるステロイド性のもの。気管支喘息では、だるくてぐったりはない。
最終の診断結果は
気管支発作のたびに点滴でステロイドを大量に取り込んだために、体内のステロイドをつくる能力が不足。
そのタイミングで抜歯し体内でステロイド不足になり、副腎不全を起こしていました。
単身赴任は、ほんとうに精神的にも体力的にも大変です。もし、ご家族にいらっしゃいましたら、やさしい声をかけてあげてくださいね。