【切らずに治す重粒子線治療】
群馬大学重粒子線医学センターで、重粒子線治療を受ける患者さん。

重粒子線治療とは、X線で使われるより重い粒子を
光の速さの70%まで加速して、ガンの患部に照射する治療法です。

照射時間は、わずか1~2分程度で終了します。

●群馬大学重粒子線医学センター 大野達也教授の話
重粒子線治療は、通常の放射線やガンマ線に比べて、
ガンをやっつける力が2倍~3倍強いです。

ピンポイントで照射できるので、通常の放射線治療より
副作用が少く、治療期間短く身体への負担も少なくすみます。

ガンの種類や転移の状況により治療できないこともありますが、
切ることなく身体の中を治療できるので高齢の方へにも
大きな期待が寄せられいる最新の治療法です。

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【凍らせてガンを死滅させる凍結療法】
79歳の腎臓患者の再発したのですが、高齢に加え右の腎臓はすでに全摘出、
左の腎臓も1/3切除していたため外科手術は無理な状態でした。

●KKR札幌医療センター斗南病院 清水 匡部長の話
この患者さんが選んだ方法は、凍らせてガンを死滅させる凍結手術です。
局所麻酔の後、MRIを使ってガン細胞に太さ1.5mmの特殊な針をさします。

その針から高圧のアルゴンガスを送りこむと、先端部分は-140℃となり、
ガン細胞は一気に凍って死滅していきます。

手術は、冷凍約10分→解凍約2分→冷凍約10分 で完了。
合併症がなければ翌日には退院できます。

手術を受けた患者さんも、手術を受けた感じはまったくなく、
仕事をもっていらっしゃる方でも、5日~1週間で復帰できます。

針の刺せないような場所や、臓器の薄いところには治療ができませんが
今後は、乳がんや他のガンの治療に対してもはじめていきたと思います。

H23年7月より、4cm以下の腎臓ガンの凍結手術のみ保険適用になりました。

【治療費】
・治療費は重粒子線治療で約300万円
・凍結手術の4cm以下の腎臓ガンの保険適用で約53万円
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このような最先端治療は、すぐにでも治療を受けたい方が沢山いらしゃいます。
治療してくれる病院、治療費など私たちの手の届く医療にしてもらいたいですね。