乳がんや、子宮がんの手術後、リンパ管を切除してしまうことにより起こるリンパ浮腫。
体内に流れるリンパ液が心臓に戻る手段がなくなって、腕や脚に取り残されてしまうことによっておこります。
手術後、戻る手段がなくなったリンパの流れは、少しづつ新たな戻る経路をつくりながら症状が改善していきますが、戻りきれないと皮下にたまってむくんでしまいます。これがリンパ浮腫です。
女優の古村比呂さんも、2012年2月に行った子宮頸がんの手術の後、左足のリンパ浮腫に悩まされ続けてきました。
ひどい時には、左脚の太さが右脚の2倍に、23cmの靴のサイズが、左足だけ26cmになってしまうこともあったそうです。
リンパ浮腫の治療は、リンパドレナージと呼ばれるマッサージ、バンテージ(弾性包帯)や弾性ストッキングなどによる圧迫圧を使って、リンパ液の戻りを改善していきます。
しかし、これらの処置では改善しきれない場合には、リンパ管の流れのバイパスをつくる外科手術しか方法が残されていません。
リンパ管のバイパス手術は、リンパ管静脈吻合術(ふんごうじゅつ)といい、リンパ液が戻りきれずむくんでいる部分のリンパ管を、近くの細静脈に縫合させてリンパ液の戻るルートをつくっていきます。
手術は繊細で、リンパの流れる方向を確認しながら、顕微鏡下で一本づつリンパ管と静脈と繋いでいきます。
リンパ浮腫が改善しない古村さんは、このリンパ管バイパス手術を受けたようです。
この様子は、TBS「爆報THEフライデー」で『女優古村比呂 後遺症で左足が丸太に 大手術決行涙の結末』で放送されました。
10月27日放送 「古村比呂さん子宮頸がん再発!5年目の検査での悪夢の告知|爆報!THE フライデー はこちらで紹介しています。
古村比呂さんのリンパ管静脈吻合術
古村さんの現在は、リンパ浮腫のため、ハイヒールが履けない、歩くことができない、スカートが履けない、立ち座りができないなど、日常生活が著しく制限されてしまっています。
そのため女優業をしたくても、仕事が受けられない状態だそうです。古村さんには、まだ未成年の3人の息子がいるため、一刻も早く女優業に復帰する必要があります。
2倍に膨らんでしまっている脚を元に戻す、残された方法は1つ。切れてしまったリンパ管を静脈に繋ぐことでリンパ液を戻す「リンパ管静脈吻合術」を受けることです。
しかし、リンパ管静脈吻合術をするためには、正常なリンパ管が生きていることが条件となります。
古村さんの足のリンパ管を造影検査で調べてみると、ほとんどのリンパ管がつぶれてしまっているという残念な結果でした。
そのため手術をしても成功率は1%、しかも手術費用は70万円もかかります。手術は、生きているリンパ管を探すことから始めなければなりません。
もし、リンパ管が見つからない場合には手術は失敗となり、二度とリンパ浮腫を治すことはできません。
それでも「1%の望みにかけたい・・・」息子のために自分のために、古村さんは手術を決意します。
手術では運良く4本の生きているリンパ管が見つかり、そのすべてを静脈につなぐことができました。
1ヶ月後、古村さんの脚のむくみは大幅に改善、太ももで3.2cm、ふくらはぎで2.1cm細くなっていました。また、像のような足首も3cm細くなり、足全体の赤みも和らいでいました。
この状態で順調にいけば、半年後には元の細い脚に戻れる可能性も見えてきたそうです。3年ぶりに、お気に入りのハイヒールが履けるようになったと、古村さんは大喜び。
1日でも早く女優業に復帰して、古村さんの素敵な笑顔と演技を見せて欲しいですね。古村さん頑張れ!