乳がんと言えば「しこり」を気にしますよね。触診したときに、コリコリした「しこり」を感じたら、乳がんを疑います。
ところが、しこりにならない乳がんがあります。
触診したときに、しこりがないと安心してしまいますが、しこりのない乳がんもあると言うことを頭の隅に入れておくと良いと思います。
しこりのない乳がんには、「非浸潤性乳管がん」と「炎症性乳がん」があります。
非浸潤性乳管がん
乳がんは、母乳の通り道である乳管に発生します。乳管に発生したがんは、乳管の壁を破り、かたまりを作ります。
ところが、乳管の壁を破らずに成長し、乳管を這うようにして広がって行くがんがあります。
しこりを作らないので、医師でさえ触診で見つけることが難しいと言われています。
このがんの現れる症状としては、乳房からの血液などの分泌物です。
ある女性は、お風呂に入っているとき、少量の血液が手に付いていました。初めはどこから出血しているか分からなかったそうです。
その後、ブラジャーの内側に血液のようなシミを見つけ、検査のマンモグラフィーで乳房を挟んだとき、乳首より大量に出血したそうです。
炎症性乳がん
また、ある人は左の乳房に赤みを見つけました。
赤みの特徴としては、
・触ると熱がある
・少し痛かゆい
始めは、かゆみ止めなどの軟膏を塗っていたそうですが、まったく効果はなし。左胸に赤みを見つけてから1か月後、女性の胸は左右の違いがハッキリわかるほど大きさが違っていました。
検査の結果、「炎症性乳がん」と診断されました。
炎症性乳がんは、がんが乳管を破り、リンパ管へ飛び、乳房全体に広がるガンです。
炎症性乳がんも大きなかたまりを作らず、しこりを感じにくいガンです。
赤みが出る理由は、がん細胞によりリンパ管が詰まるとそこでリンパ液がせき止められ、炎症が起こることで赤みが生じます。
炎症性乳がんは、乳がん全体の0.3%と稀なタイプですが、赤みが出てから約1か月でリンパ節や肺などに転移するので、乳房に現れる赤みには注意が必要です。
しこりのできる乳がん
乳がんのようなしこりができる症状に、「乳腺症」があります。
乳腺症の症状は、
・乳腺がはる
・しこりができる
・乳汁が出る
・乳房が硬くなる
乳腺症は、加齢による女性ホルモン低下が原因ですのでそのほとんどが経過観察となります。
しかし、乳房の大きさが左右違い、どちらかの乳が大きくなり下着がきつく感じたら、すぐに検診を受けた方が良いそうです。
検診を受けることで、死亡率は約20%減少すると言われています。
見るだけでわかる乳がんのセルフチェック
・乳房のくぼみ
・乳頭の異変
乳頭が陥没したり、乳首が左右下向きになるなどの変化があった場合は、乳がんの可能性がありますので、すぐに受診してください。