昨日は、北斗晶さんが乳がんであること、右乳房を失うこと告白し、とても驚きました。
北斗さんにはいつも元気いっぱいで、病気とは程遠いイメージがあったからです。
しかし、北斗さんの詳しい状況が分かると、がんになることの辛さや不安、周りへの気遣いなど、北斗さんの気持ちが痛いほど伝わってきました。
北斗さんの侵された乳がんですが、乳がんには色々なタイプがあり、治療法が違います。北斗さんは、命と引き換えに右胸を失うことになりましたが、すべての女性が乳房を失うわけではありません。
乳がんには、色々なタイプがありますが、大きく分けると女性ホルモンであるエストロゲンが影響するタイプと、HER2(ハーツー)陽性乳がんです。
乳がんのタイプや進行状況によって治療法は変わってきます。
ホルモン療法が効くタイプなのか?分子標的薬が効タイプなのか?これらを検査で調べ、また、がんの大きさやリンパ節への転移などを考慮し、治療を決めていきます。
エストロゲンが影響する乳がんの予後は進行状況にもよりますが比較的良いと言われています。その反面、HER2陽性乳がんは再発の可能性が高く、乳がんの中でも比較的むずかしいガンとされてきました。
HER2(ハーツー)とは、がん細胞の増殖や転移を起こすがん細胞の表面に存在するタンパク質と言われています。HER2が細胞表面にたくさん存在しているがんを、HER2陽性乳がんと言います。
HER2陽性乳がんは、全体の2割程度をしめるそうです。
検査を行い、HER2陽性乳がんと判明した場合、現在では良い治療法が確立されています。それは、ハーセプチン、一般名をトラスツズマブと言います。
トラスツズマブとは、舌を噛みそうな名前ですね・・
HER2たんぱく質を持つがん細胞はそのまま放っておくとどんどん増殖しますが、そこに、トラスツズマブを投与すると、がん細胞の増殖を指示する信号をブロックする働きがあります。
この治療のおかげで、HER2陽性の患者さんに再発が少なくなってきたと言います。
ハーセプチン(トラスツズマブ)の登場で、乳がんの治療は劇的に変わりました。現在では、予後が悪く転移しやすいといわれていたHER2陽性乳がんですが、術後にハーセプチンを使うようになって、最近では再発する患者さんが少なくなっている印象があります。ハーセプチンを術後補助療法としてきちんと確実に使うことで、再発が抑えられているのだと思います。
乳がんと診断されると、相当なショックを受けるかと想像します。
しかし、乳がんにも上記のように色々なタイプがあり、判断するための検査やタイプ別治療法が確立されていますので、まずは、医師の見立てと治療をきちんと理解することが大切だと思います。
もし、納得がいかない部分があれば、セカンドオピニオンを受け、納得したうえで治療に臨むことが理想です。
不信感を持ちながらの治療は、精神的にも辛いと思います。
ガンと診断された辛さは、ガンになった経験のある人しか分からないと思います。色々な心の葛藤があるかと思いますが、北斗さんのように前向きに受け止めて、治療に臨んでいけたらと思います。