今、日本人のガンの死亡率でもっとも高いのは、男性は肺がん、女性は大腸がんです。
男女合わせると、大腸がん患者数は16万6000人(2015年)で、がんの中では最も多くなるそうです。
大腸は、長さ1.5m~1.7mの長さがあり、ぐるーっとお腹を一周する結腸部と、最後の出口となる直腸部に分かれています。
結腸部と直腸部双方にでき、結腸がんと直腸がんと呼ばれます。検査するには、鮮血反応をみる便検査と、直接大腸をみる大腸内視鏡検査が一般的です。
女性の場合、肛門から内視鏡を入れるのはやっぱり抵抗がありますよね・・。
大腸の異変を知るには毎日の便に鮮血がないかどうかチェックするといいといいますが、便秘や痔、生理などもあり、サインを見逃しがちになります。
そんな理由が女性の大腸がんが多い理由なのでしょうか。40歳過ぎると増えてくるといいますので、十分にご注意くださいね。
しかし、そんな大腸ガンの発症や再発を抑える効果の高い薬が発見され、そうそうに発売されそうです。
その薬は新薬ではなく、解熱鎮痛剤として広く使われてきたアスピリン薬です。
国立がん研究センターと京都府立医科大学などの研究チームが、臨床研究を行い結果をH27年11月30日に発表しました。
大腸ポリープ切除を行った患者300人に、術後アスピリンを処方したところ再発率が4割減少したそうです。
アスピリンは市販されているアスピリン系の薬ではなく、医師が処方する「バイアスピリン」(バイエル製薬)という薬です。
さらに効果を確認するため、大腸がんになるポリープを切除した患者7000人を対象に今後4年間、毎日1錠飲んでもらいその効果を検証するそうです。
アスピリンには、臓器の炎症を抑える作用があり、これが効果的に働いているのでは・・と推測されているようです。
「バイアスピリン」は、すでに承認を得ている薬なので効果が確認されれば、大腸ポリープ治療薬として処方される事になります。
「バイアスピリン」は血栓をつくりにくくする薬で、市販の解熱鎮痛剤とは有効成分が違うので、くれぐれも自己判断で飲まないでくださいとのことです。
いずれにしても日本人がんトップの大腸がんの予防薬ができれば、本当に嬉しいことですね。