肺炎は、日本の死亡原因の第4位で年間12万人も亡くなられています。

肺炎の原因としては、細菌やウィルスの感染によるものや、飲み込む力が衰えておこる誤飲性肺炎がよく知られています。

2003年には新型肺炎として、SARSコロナウイルスの感染でおこる重症急性呼吸器症候群が注目されましたよね。高齢者や子供など体力が弱っている人にとって、肺炎は致命的な病になることもあるので注意が必要です。

しかし、風邪をこじらせたわけでもなく、食物を間違って飲み込んだわけでもないのに肺炎になってしまう人がいるそうです。

思い当たる原因がないのに、なぜ肺炎になってしまうのか・・。その理由は、夜寝ている間におこっているようです。

夜遅い時間に食事をする人は、胃の中にまだ消化されない食物が残っています。消化されないうちに横になってしまうと、胃の中のものが逆流してきてしまいます。この逆流したものが、気道に入ってしまうと肺炎が起こってしまうのです。

また、唾液によって起こることもあります。唾液に含まれる歯周病菌や虫歯菌が、寝ている間に気道の中に流れ込んで肺炎になってしまうことがあります。

試してガッテンでは、そんな肺炎にまつわる色々な情報や、食物の飲み込む力を鍛え肺炎を防ぐ「おでこ体操」のやり方を教えてくれました。

この肺炎は、風邪などの細菌の感染や誤嚥などの症状がなくてもおこり、何回も繰り返し起こるのが特長です。

実は、この肺炎の犯人は胃液です。

寝ているとき、胃も横になっています。通常は胃の入り口のフタの噴門が閉じるので、胃液が逆流することはありません。また、そういうことになっても無意識のうちに、唾液を飲み込むことで逆流を押し戻しています。

しかし、唾液の飲み込みがうまくいかないと、胃液が逆流して肺の中に入り込んでしまい肺炎がおこってしまうのです。

胃液逆流タイプの肺炎のおこりやすい人

①ツバが少ない
②寝る前の暴飲暴食
③加齢

ドライマウスや口を開けて寝る人は、夜間のつばの量が減っていて唾液で逆流を止められません。また、寝る前に暴飲暴食をすると胃の中に食物がたっぷりあるため、胃液が逆流する危険が高まります。

普通の健康な人は、①②がおきても肺炎になることはめったにありませんが、加齢による虚弱や寝たきりなどの人の場合、胃液の逆流が起きやすくなります。

一番リスクが高いのは、胃や食道の手術をした方です。また、脳に小さな脳梗塞など血管障害のある人の7割に誤嚥があるそうです。脳に障害があると、食物が入ってきたときのセンサーと、のどにフタをする筋肉の連携がうまくいきません。

朝起きたときに喉がチリチリと焼けるような感じがする人は、胃液の逆流がおきている可能性があるので要注意です。防ぐには、ベットの背を15度ほど起こして寝ると効果があります。

●飲み込み機能チェック
つばを3回飲み込む時間を計測します。30秒の間に3回、つばを飲み込めれば問題ありません。年齢とともに、つばを飲み込む時間はだんだん長くなってくるそうです。

●アイスマッサージで脳の活動を刺激する
医療用の綿棒に水につけて凍らせておきます。それを口の中にいれ、水の刺激、冷たい刺激、マッサージの刺激を与え脳への伝達機能を回復させます。

唇から徐々に口の奥へマッサージをすると、飲み込みが起こりやすくなります。飲み込む力が弱っている方におすすめで、食事の前にやるといいそうです。

●おでこ体操
おでこ体操で、飲み込む時に使う舌骨上筋群を鍛えます。

①片方の手をおでこにあてて、頭でその手を強く押す

②おへそを見るように下をむく

③1秒ごとに頭を押す動作を5回繰り返す
④頭を押す動作を5秒続ける

食事の前に行うと効果的だそうです。

●肺炎球菌ワクチン
65歳から5年おき、または101歳以上の方に肺炎を防ぐワクチンの接種が受けられるそうです。
詳しくは、近くの役所や保健所にお問い合わせくださいとのことでした。