冬といえば風邪のシーズン。咳コンコンは毎年のことと思っていると大変なことに。その咳の原因が、風邪ではなく肺炎だったとしたら、命に関わることになります。

実は、肺炎は日本の死亡原因の第3位で、毎年12万人もの人が肺炎でなくなっています。

演歌歌手の伍代夏子さん、JOYさんも肺炎にかかり危険な目にあったそうです。

伍代夏子さんは33歳のときに、C型肝炎にかかり体質改善もかねて漢方薬を処方してもらったそうです。

その漢方薬でアレルギーをおこし、間質性肺炎なってしまいました。

間質性肺炎とは、肺の内部が炎症をおこし線維化して硬くなってしまい肺で空気交換がうまくできなってしまう怖い病気です。

五代さんは息ができなくなり倒れ、救急車で運ばれたそうです。

JOYさんの場合には、疲れで体調を崩し39℃の高熱で病院へいったところ、肺炎と診断され即入院しました。

その後の精密検査で肺結核が見つかり1ヶ月の休養を余儀なくされました。

二人とも命にかかわる危険な状態でだったそうです。

最近では、マイコプラズマ肺炎と呼ばれる感染症にかかる人が増えていますから、気をつけなければなりませんね。

肺炎の場合には、命の危険もあるため、一刻も早く治療することが必要です。

肺炎のせきは、乾いた咳とよく言われますが、乾いた咳とは普通のせきとどう違うのでしょうか。

主治医が見つかる診療所では、肺炎の早期発見法と予防法を教えてくれました。

間質性肺炎(かんしつせいはいえん)伍代夏子さんの場合

伍代さん32歳の時、身体がだるく、軽くて乾いた咳が出始めました。特徴は、身体を動かすと咳が出やすく、息が続かない感覚がありました。

咳が出始めて5日目、39度の高熱が出ました。救急病院で診察を受けた時の診断結果は、ただの風邪でした。

咳が出始めて8日目、寝ているとき一瞬息ができなくなりました。慌てて起き上がると息が出来ましたが、立ち上がると壁を伝わらないと歩けなくなりました。目の前がゆらゆら揺れてがけろうの様でした。

これは違う病気かもしれないと思い、違う病院を受診しました。その結果、「間質性肺炎」と診断されました。もう1日受診が遅かったら命の危険もあったそうです。

間質性肺炎とは、肺の中で空気を取り込む肺胞を包んでいる間質が厚く硬くなり肺機能が低下します。

このような肺の疾病をまとめて間質性肺疾患と言い、「間質性肺炎」、「肺線維症」、「肺胞微石症」、「肺胞蛋白症」があります。

この間質性肺疾患の患者数は、約3万8000人いると言われ、死亡者数は、約1万1500人にも上ります。間質性肺疾患の大部分は、間質性肺炎だと言います。

間質性肺炎の見分け方

間質性肺炎の咳は、乾いた小さなセキが最低でも2週間続きます。また、動くとせきが多く出ます。このような症状があったら、すぐに受診しましょう。

肺炎球菌性肺炎(はいけんきゅうきんせいはいえん)

68歳男性は、2年前、妻は気付きましたが、自分では自覚のない小さな咳が出始めました。昼食に食べた天ぷらが夜になってもたれ、どんどん食欲がなくなり、食べられなくなりました。

せきが出始めて1か月後、胃が悪いのかと思い、検査をしたところ肺に影が見つかりました。

肺炎球菌性肺炎とは、肺炎球菌が肺に入り込み過労や寝不足などで免疫力が低下したときに炎症を起こします。

肺炎の死亡原因の約3割に上る怖い肺炎です。1週間で死に至るケースもあり、冬に患者数が急増します。

特徴は、色のついたタンが出たり、湿ったせきがでます。しかし、高齢になると、せき反射が弱まり、せきが出にくくなったり、せきが小さくなったりします。

高齢者は、老化とともにせき中枢の働きが弱り、せきが小さくなり頻度も減ります。咳をしている自覚がなくなることもありますので、周りの人が気づいてあげることが大切です。

肺結核(JOYさんの場合)

JOYさんは、軽くて乾いたせきが出始めました。なかなか止まらないので近くの病院に行き、風邪の診断を受けました。

しかし、もらった薬を全て飲み終わっても、せきが止まらず、次に耳鼻咽喉科に行きました。そこでの診断は、上咽頭炎でした。

上咽頭炎の治療をしてもせきがまったく治まることなく、せきはどんどん重く辛くなっていきました。

せきが出始めて8か月たったころには、激しい咳で夜中に目が覚めて吐血することもありました。違う病院で診察を受けると、また風邪の診断でした。

咳が出始めてから10か月後のある日、寒気と震えが止まらず、身震いが止まらず、一歩も動けない状態になりました。

そこで、マネージャーに連れられて病院に行き、初めてタンの検査をしました。そこで診断された病名は、肺結核でした。

肺結核とは、空気感染によって結核菌が肺に入り込み増殖して炎症を起こします。

日本人の6人に1人が結核菌を持っており、ストレスや不規則な生活、老化などで免疫力が低下すると発病します。

肺結核は、昔は国民病でしたが現在はほとんどなくなっています。しかし、現在も、新登録患者数が2万495人、死亡者数は2084人とまだまだ完全になくなった病気ではありません。

昔は、抗生物質で完治しましたが、今の肺結核菌は、抗生物質に耐性を持った耐性菌のため、薬が効かないケースも出ています。

肺結核は、乾いたせきが長期間続き、だんだんと重くなる、なんとなくだるい、食欲がない、微熱があるなどの症状がでます。

肺結核は、比較的高齢者が多いのですが、JOYさんのような若い人がかかる可能性もあります。

また、JOYさんの発見が遅れた理由は、ドクターショッピングと言って、あちこちの病院を転々としたことで、発見が遅れたと考えられます。

長引く場合はついつい病院を変えがちですが、ひとつの病院で長期にわたり診察を受けたほうが、発見が早まるケースもあります。

この辺は、非常に難しいですよね。病院を変えたことで、病気が発見できることもありますので、慎重に考えたいところです。