日本人の死亡原因の第3位は、肺炎です。肺炎で亡くなる人の9割は75歳以上の高齢者といいます。
高齢者の方に多い理由は、食べ物をうまく飲み込めないため、肺に食べ物や細菌が肺に入って誤飲性肺炎になる人が多いためです。
喉には、食べ物を流す食道と空気を流す気管が隣り合わせにあり、その通り道は喉頭蓋(こうとうがい)と呼ばれる蓋により切り替えられています。
通常は食道への蓋が閉じられ気管の方が開いて空気が肺に入っているのですが、食べ物が入ってくると気管の方を塞いで、食道への道を開きます。
この一連の動作を嚥下(えんげ)といいます。嚥下は、食べものが入ると反射的に行われるのですが、飲み込む力が衰えたり、脳や神経の障害がおこると、喉頭蓋の切り替えがうまくいかなくなり、食べ物や細菌が肺に流れ込んでしまいます。
そうすると、肺の中で細菌が繁殖して肺炎を起こしてしまいます。
誤飲性肺炎になると、なんとなく元気がなくなる、食事中にせきこむ、喉がごろごろなる、唾液が飲み込みづらい、食べ物が飲み込みづらいなどの症状が現れます。
初期の段階では自分ではなかなか気づきにくく、発見が遅くなってしまうことが多く、悪化すると危険な状態になってしまいます。
治療は、肺炎を起こしている嫌気性菌をやっつけるための抗生剤が処方されます。しかし、何度も繰り返していると、嫌気性菌が耐性菌となってしまい治療が難しくなってしまいます。
誤飲性肺炎がおこる最大の原因は、飲み込む力が落ちてくること。自分の飲み込む力が落ちてないかどうかを、簡単にチェックする方法があります。
喉に指をあてて嚥下機能をチェックする方法
①喉仏を挟むように人差し指と中指をあてる
②30秒間に唾液を何回飲み込めるかをやってみる
6回以上飲み込めればOK
5回以下は飲み込む力が落ちている
2回以下は、誤飲性肺炎を起きやすい状態
唾液が少なく飲み込めない人は、ほんの少し水を含んで口の中を濡らしながらテストします。
嚥下機能が落ちている人は、飲み込む力を鍛えることができます。
のどの筋肉の鍛え方
①仰向けに寝る
②首を上げつま先を見るように頭だけを上がる
この動作を1日3回1分間ずつ行うと、6週間で効果が出始めます。
また、高齢者の方はいつも口の中を清潔に保っておくことで、誤飲性肺炎のリスクを抑えることができます。
誤飲性肺炎の確認方法はテレビ朝日「みんなの家庭の医学」でも紹介していました。
最近飲み込みむ力が弱くなったと感じている方は、「のどの筋肉の鍛え方」を試してみてください。