高齢になって一番の問題は、歩けなくなることです。

私たちの親世代を見ていますと、高齢者問題のすべては歩けなくなった時からスタートしているような気がします。

実際、歩けなくなった親を支えてトイレに連れていきましたが、とても素人だけの力では無理な話しです。

ですから、自分だけは、本当になくなる直前までピンピン歩いていたいなあ~と思う、この頃です。

しかし、歩けなくなる兆候は、もうすでに始まっており、今すぐに対応しておかないと、確実に歩けなくなってしまとの警告が・・。

歩けない病気

その病気にかかっている患者数は、1280万人といいますから、中高年の半数以上が病気にかかっているということでしょうか。

兆候は、足がつる、しびれ、腰痛、スリッパが脱げやすい・・・これが注意すべきサインといわれると、ほとんどの人が該当するのではないでしょうか。

実際、それらの兆候がでても、皆さん放っておくそうです。増田惠子さんも発病しているにもかかわらず放っておいたそうです。

そこで、この歩けなくなる病気の正体と、早期発見法と対処法を、主治医たちが教えてくれます。

放っておくと歩けなくなる恐ろしい病気

●歩行危険性チェックリスト

①以前に比べて食欲がなくなった
②背が縮んだように感じる
③スリッパが脱げやすい
④排尿がしずらい残尿感がある
⑤足の爪の伸び方が左右で違う
⑥靴ズレが治りにくい
⑦足がよくつる

この中で、該当項目が一つでもあると将来歩けなく可能性があるそうです。

腰部脊椎管狭窄症

ビリー・バンバンの菅原孝さん(69)は、腰が重苦しい感じや、足先までしびれた感じがありましたが、自分で体を鍛えれば治せると思っていたそうです。

しかし、ついに痛みで歩けなくなり手術、背中を25cm切開し潰れて神経を圧迫していた部分を削ったそうです。

腰部脊椎管狭窄症

腰部脊椎管狭窄症は、脊椎の中の神経を通している穴が潰れ、神経を圧迫するためにおこります。

50歳を過ぎて肥満の人、立ち姿勢の長い人、座り続けている人がなりやすいそうです。
チェック項目の③④⑦の人が該当します。

早期発見法 以下の症状のある人は整形外科へ
①ある程度歩くと痛みしびれがでてきて、ちょっと休むとまた歩けるようになる間欠跛行。

②背中を逆に反らすと痛みが強くなるが、前かがみになると痛みが弱まる(自転車や手押し車にすると楽)

骨粗しょう症

推定患者数1280万人。身長が縮んでいたので、調べてみると圧迫骨折という人が増えています。

原因は骨粗しょう症です。高齢になると、新しい骨を作り力が弱くなり、骨がスカスカになってしまいます。

背骨の圧迫骨折は、骨がもろくなり徐々におこるため、自覚症状がなく気ずかないことが多いそうです。

閉経、喫煙、酒などの生活習慣や、関節リウマチ、糖尿病、動脈硬化症の人がなりやすいといいます。

また、閉経後の女性や太っている人より、痩せている人がなりやすくなります。これは、骨に対する負荷が少ないため、骨が強くならないためだそうです。

チェックリストの該当は、①②の人です。身長が2cm縮んだら、一度検査を受けてください。

予防法は、1日30分の運動や、階段を登り降りしたり骨に負荷をかけ強くすること。食事面では、タンパク質、鉄分、ビタミンD、ビタミンK を食べて日光にあたることが大切です。

●チェック法

壁面にたち、頭、背中、腰、足をつけて頭とお尻がひったり壁に付けば大丈夫。

閉塞性動脈硬化症

動脈硬化により、足などの太い血管が狭くなる病気です。血液の流れが悪くなると、細胞が壊死してしまい足を切断する恐れもあるそうです。

カテーテル治療で、細くなった血管をステントで広げることで治療します。

運動や歩行、足の筋肉をたくさん使うと血液不足が目立ち間欠跛行が起きます。

腰部脊椎管狭窄症の間欠跛行は、休むとき座らなくてはいけないのですが、閉塞性動脈硬化症は、立ち止まるだけで回復します。

閉塞性動脈硬化症は、片足に起こることが多いので左右の足の脈を見てチェックできます。

①足の甲の親指と人差し指の間から約5cm上で、左右の脈の強さに差がないかどうかでチェックします。

チェックリストの⑤⑥⑦の人が該当します。