突然、バットで殴られたような痛みで発症するくも膜下出血。高齢者の病気だと思っていたら、40代から発症率が高まるそうです。
驚いたのは、くも膜下出血を起こす人の7割が女性、そして、20代、30代など若い方にも発症するということです。
原因は、脳の血管にできたコブ、脳動脈瘤の破裂です。この脳動脈瘤を破裂前に発見し、対処することで発症を防ぎます。
くも膜下出血の特徴的な頭痛
くも膜下出血を発症すると、特長的な頭痛が発生します。これまで経験したことのない頭痛、ハンマーで殴られたような痛みがあります。
警告頭痛と、猛烈な痛みの雷鳴頭痛の2つの頭痛が起こることもあります。さらに、吐き気や意識が遠のくなどを感じたら迷わず119です。
●くも膜下出血の危険因子
以下のような方は、注意が必要です。
①感染症
②祖父母、両親、兄弟に患者がいる
③喫煙
④高血圧
⑤大量の飲酒
●脳内出血とくも膜下出血の違い
脳内出血
脳の中の一部が出血します。1ミリ以下の血管が破れ出血します。
くも膜下出血
脳の表面全体に出血します。3ミリの太い血管が切れ、大量に出血します。
死亡率は、脳内出血の場合、すぐに命にかかわることは少なく、あっても15~20%程度。くも膜下出血の場合には、いきなり3割が亡くなり、その後2/3の人が亡くなるか、社会復帰不可能となってしまいます。
●予防するには
脳ドックでの検査が一番です。費用は約3万円、MRIを使い30分ほどで検査ができます。1週間ほどで検査結果がでます。
検査すると20人に1人程度の割合で、未破裂の脳動脈瘤が見つかるそうです。大切なのは見つかった動脈瘤をどう判断し、治療するかです。
●治療法
開頭クリッピング術
手術により頭を開けて動脈瘤にクリップをして防ぎます。手術による身体の負担は大きく2週間程の入院が必要です。
コイル塞栓術
脚の動脈からカテーテルを入れて、動脈瘤の中にコイルを詰めて破裂しないようにします。身体の負担は少なく、1周間程度の入院です。
●判断
動脈瘤の大きさが、5ミリ~7ミリ以上になると出血のリスクが高まります。それ以下の動脈瘤でも、場所やカタチがいびつで破裂のリスクが高いものもあります。
発見された後、治療をどうするかの判断が必要ですが、わからない時は、「先生ご自身ならどう判断します?」などとお医者さんのアドバイスを聞いて判断されてもいいかもしれません。
●検査を受けてうつになる人も・・
せっかく検査して見つかった脳動脈瘤なのですが、どう対応すればいいか悩んでうつになり、日常生活に支障がでたり、自殺を考えたりする人もいるそうです。
中には、怖くて外にでられなくなってしまう人もいますが、身体を動かさない状態は逆効果になってしまいます。
脳ドックの検査は、「問題のないことを確かめる」のではなく、「病気を発見するもの」なので、見つかったときどうするかを予め考えてから検査を受けるといいそうです。
●脳動脈瘤が見つかったときには・・
①1人で抱え込まない
②病気について詳しく知る
③セカンドオピニオンを受ける
ことが大切だそうです。
治療には、医師とよく話しあい、信頼関係をしっかり気付き治療するといいそうです。
私たちの年代は、発症率もかなり高まってきます。一度脳ドックの検査を受けておくといいですね。