外出するときに、何度も鍵を確認してしまったり、手を何度も洗ってしまう・・誰にでもありそうな、この行為ですが、それが強迫性障害(OCD)という病気の可能性もあるということです。

この強迫性障害、単に「神経質」や「気にしすぎ」と思って病気だと気づかずにいたり、病院にかかっても、誤診や見過ごされてしまうこともあるそうです。

なんと国内では、200万人の患者がいると推定されているそうですよ。

強迫性障害は、脳の機能障害が関連している精神疾患(不安障害)で、原因は、セロトニンなど脳内の神経伝達物質のバランスに異常があると起こるということがわかってきました。

治療には、行動療法や認知行動療法、抗うつ薬を用いた薬物療法があります。

強迫性障害の主な症状

・不潔強迫
潔癖症で、手の汚れや体などを何度も洗わないと気がすまない

・確認行為
外出や就寝時に、家の鍵やガスの元栓が気になり何度も確認する。

・加害恐怖
自分の不注意などによって他人に危害を加える事態を異常に恐れる。

・被害恐怖
自分自身や自分以外から自分に危害が及ぶことを異常に恐れる。

・自殺恐怖
自分が自殺してしまうのではないかと異常に恐れる。

・疾病恐怖
自分が重大な病や不治の病などにかかってしまうのではないかと恐れる。

・縁起恐怖
自分が宗教的、もしくは社会的に不道徳な行いをしてしまうのではないか

・不完全恐怖
物を順序よく並べたり、きちんとした位置に収めないと気がすまない。

その他、不要品を貯めこんでしまう保存強迫や、不吉な数にこだわる数唱強迫などの症状があるそうです。

自己チェック

・何度も手洗いや掃除をしてしまうか
・何度も確認作業をしてしまうか
・いつも同じことで悩んでいないか
・何かをやるときこだわって時間がかかりすぎてないか
・順序や左右対称にとらわれていないか

強迫性障害の診断基準

・毎日1時間以上費やしている
・生活に多大な支障をきたしている

また、強迫性障害の方が家族にいると巻き込みというパターンが起こるということです。巻き込みは、家族がその方の不安を解消するための手伝いをするようになって、症状をさらに悪化させてしまうことをいいます。

強迫性障害の治療法

・薬物療法
・認知行動療法

認知行動療法とは・・

①不安のリストアップ ・・どんなことが不安なのか
②巻き込みの有無の記録
③不安との向き合い
④確認の我慢
⑤家族の確認の拒否

こうすることで、少しずつ強迫感が弱まってきます。

東京OCDの会では、月に一度強迫性障害の自助グループによる活動を行っていて、それぞれの悩みについて話しているそうです。

また京都では、子供の強迫性障害の自助グループ「子どもの強迫友の会」があり、自分に何が起こっているか、理解できず怯えている子供の親が集まって情報を交換しています。