加齢黄斑変性は、老化が原因の眼の疾病で、50歳を過ぎた頃から現れ、60代、70代で最も患者数が多くなります。早めの治療で失明からは逃れることもできますが、重症になると視力を失います。

突然発症すると言う例もあり、最近急増しています。アメリカでは失明の原因のトップとなっていました。

黄斑変性症は、「新生血管」が発症することで起こります。

加齢などで網膜にある毛細血管が詰まると、血液が流れなくなるため、網膜細胞は酸素と栄養が不足します。網膜は、酸素と栄養を取ろうとし新しい血管を作ります。これが、「新生血管」です。

この発生した新生血管により、網膜色素細胞の機能が壊れ、出血を繰り返すうちに、視力が大幅に下がり、 失明することもある疾病です。

黄斑変性で失明した場合、今までは回復の見込みはなかったのですが、iPS細胞のおかげで、視力の回復が見込めるようになりました。

iPS細胞による加齢黄斑変性の治療は、今年の7月、クローズアップ現代で放送された内容ですが、iPS細胞の研究でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授の出演で、NHKスペシャルでも詳しく紹介されました。

番組で紹介された70代男性は、神戸 先端医療センターの眼科医高橋政代(たかはしまさよ)医師の元、iPS細胞から作られた網膜を移植し、来年にも治療を行う予定だそうです。

高橋政代医師は、再生科学総合研究センター網膜再生医療研究のチームリーダーでもあり、網膜再生のスペシャリストのようです。

このような医師がいることは、全国で40万人もいると言われる黄斑変性症の患者さんにとってはとても心強いですね。

最近では、政府の働きかけもあり、早期発見早期治療を呼びかけているので、早めの段階で治療を開始する人が増えています。

自分で簡単にチェックするには、方眼紙のようなマス目を肩眼で見て、歪んでいないかどうか調べることで分かります。

肩眼ずつ見て、歪んで見えたら専門医の受診をオススメします。

加齢黄斑変性は、私の友人もなりました。おかしいなと思ったら、早めに診断を受けてくださいね。