あまり耳にしない「凸凹(でこぼこ)アイ」。実は、私達の視力にとても影響すると言います。この凸凹アイ(でこぼこアイ)と呼ばれる病気の方が、大勢いることがわかってきました。
慶応義塾大学医学部 坪田一男教授の話では、凸凹アイはドライアイの一種で、涙の成分の異常によって引き起こされると言います。
私達の涙は、タンパク質や水分などで構成されていて目の表面で成分ごとに層を作ります。
今回注目するのは、一番内側にある「ムチン」と呼ばれるタンパク質の層です。涙の水分を定着させる働きを持っています。
しかし、目の酷使などによりムチンを分泌する細胞に炎症をおこすと、ムチンが不足し、眼の表面を覆いきれなくなります。すると、水分がまだらになり、凸凹アイになります。
まばたきの直後は、表面は均一に覆われますが、数秒すると黒い筋のようなものが現れます。これが凸凹アイです。
以下の画像は、ムチンがある場合とムチンがない場合の見え方を比べたものです。人間の目には、実際水分があるので、透明のボードに水をかけた状態で見てみます。
凸凹アイの人も、目を開けた瞬間は「つるつるアイ」だそうです。正常の人は、目を開けて10秒たっても、つるつるアイですが、凸凹アイの人は、たった2秒で凸凹アイになってしまうそうです。
凸凹アイの人は、目の表面が凸凹しているから、光が乱反射して見難くなります。
タクシードライバーの人を対象に検査を行ったところ、凸凹アイの人は、勤務前の視力は安定していますが、勤務後は、視力が安定せず随分落ちているそうです。
凸凹アイは実用視力計で発見します。凸凹アイの人は、一番良い時で1.0見えますが、一番悪いときは数秒で0.1まで落ち込むことがあります。
見え方の落差がある人は、疑いがあるそうです。涙の層や目の傷など医師が総合で判断して、診断するそうです。
では、目のムチンの分泌を増やすにはどうしたらよいのでしょうか。オクラなどの食品には、ルチンが含まれますが、オクラを食べても、目のムチンは増えないそうです。
現在は、ムチンを分泌する細胞に働く目薬が開発されています。
ムチンの分泌を促す目薬は、ジクアス(ジクアホソル)(参天製薬)、ムコスタUD(レパミピド)(大塚製薬)などがあるそうです。
凸凹アイは放っておくと悪化しますので、なにか見え方がおかしいなと思ったら、眼科を受診してください。