天気が悪いと関節が痛んだり、頭痛がおきたり、歳を取ってから体調が気候に左右されることが多くなりました。
特に、五十肩で苦しんでいたときは、低気圧が近づいたり、雨が降ったり、急激に寒くなったりすると、痛みがひどくなりました。
変形性膝関節症で苦しむ母も、天候によって痛みが違うと言います。人は、温度や気圧など、自然の中で生かされているのかと痛感します。
そんな天気による体調不良を「気象病」と言うそうです。関節痛以外にも、頭痛が起きたり、体がダルく疲れやすかったり、季節の変わり目は本当に注意が必要です。
以前、子どもに低気圧アレルギーと言う症状があり、気圧が変化すると咳が出ると言う症状がありました。これも、気象病の1つですね。
これは、気圧の変化が物理的に体に影響を及ぼした結果です。圧力は、物理的に高い方から低い方へ流れます。人の体はそのほとんどが水分でできているため、低気圧になるとこの細胞内の水分が圧力の低い外側に向かって流れ、むくみの一因になったりします。
血管が膨張することで頭痛を起こしたり、喉の血管が膨張することで気道が腫れて咳につながることも。
世界一受けたい授業では、そんな気象病の治療に初めて「天気痛外来」を開設した気象病の権威 佐藤純(さとうじゅん)先生の「気象病の防ぎ方」をご紹介していました。
これからは、天気予報の天気図が健康管理のかなめになるかもしれませんね。
ここからは世界一受けたい授業で紹介された内容です
ドイツでは、ホームページで気象病予報が発表されるくらい一般的になっているそうです。
天気外来に受診する患者さんで、天気が悪いときに痛む場所のトップ3は、1位 頭、2位 首、3位 肩、です。
番組での実験でも、慢性痛は低気圧の変化・前線通過など気圧の変化に大きく影響することが立証されました。
気圧が変わると体調に変化が現れる原因は、気圧の変化を感知する耳にあります。気圧が変わると、耳の中にある内耳センサー(有毛細胞)が変化を感知します。
すると、内耳と脳をつなぐ前庭神経が混乱し、過去にケガをした場所があると患部の痛覚神経を刺激し痛みとなって現れると言います。
感受性には個人差があり、気象病の人はセンサー細胞(有毛細胞)の感受性が敏感なのだそうです。
天気が関係しているのは頭痛や古傷だけでなく、他にも色々なところに影響します。
①めまい
難聴・耳鳴り・耳の閉塞感などを伴うメニエール病などは、気圧の低下で発症しやすくなります。
特に春先などは、急激な気温の変化で自律神経が乱れ、内耳への血流が低下するとめまいを起こしやすくなります。
②ぜんそく
3度以上の気温の低下で、ぜんそくの発作が生じやすくなります。
③心臓発作・脳出血
気圧が低下すると、血圧や脈拍が上昇し、心臓や血管に負担がかかります。
④うつ病
雨の日はうつ病の発症率が増加します。また、降水量が増えると自殺も増加すると言います。
逆に、晴れていると増える疾病もあります。急性虫垂炎(盲腸)です。高気圧に覆われた晴れの日は、ある特定の白血球(顆粒球)が増加し、盲腸の中でも重症度が高く手術になるような炎症を引き起こすことがあります。
気象病の予防は、なんと言っても天気予報を見ること。痛みだすタイミングやどの程度続くのかが分かるだけでも、ストレスが減り痛みの緩和につながります。
気象病の頭痛・めまいなどは、薬局で買える「酔い止め薬」で予防できます。
乗り物酔いの原因も、内耳と脳をつなぐ前庭神経の混乱です。気象病と発祥の仕組みが似ているため、前庭神経を鎮める抗ヒスタミン剤が含まれる酔い止め薬が効果を発揮すると言うわけです。
また、酔い止め薬がないときは、ツボがを押すと良いそうです。手首のシワから指3本分下に下がった場所に内関と言う酔い止めに効くツボがあります。
自分で押しても良いですが、「酔い止めバンド」と言う物があります。酔い止めバンドには、内側に突起が付いていて、その部分をツボに当てて時々手で押すと効果があると言います。
季節の変わり目や、天気で調子が悪くなる人は、試してみると良いですね。