家電メーカーに勤める45歳のサラリーマン、168cm、58kg。
立つとクラッとすることがあったのですが、
ある日、どきどきし汗が噴出し、会社で倒れてしまいました。

もともと気が弱い性格だった彼の病名は?

今日の指導医は 水戸協同病院 徳田安春先生
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よくありそうなケースだけに、疲れやストレスなど軽く片付けてしまいそうですよね。

1回の診断は、甲状腺機能障害亢進症が2人、低血糖が1名という診断でした。
低血糖は患者が口が渇く、夜中に甘いものを食べるということから、
症状も低血糖時の汗、立ちくらみなど同様の症状からです。

甲状腺機能障害亢進症は、甲状腺ホルモンの過剰分泌で
全身の新陳代謝が異常に高まる病気で
多汗、体重減少、環境の変化などの理由からでした。

●最終診断は 褐色細胞腫
褐色細胞腫の症状は汗をかく、体重減少、頭痛、血圧上昇
副腎の内部にある副腎髄質にできる腫瘍で、興奮物質のアドレナリンを
大量につくり高血圧やたちくらみを起こします。

男女いづれの年代にも発症するまれな病気だそうです。
倒れた理由は、体を前に倒して前屈していたときで、
副腎が圧迫され腫瘍がつくった大量のアドレナリンを放出していたため
血圧の上昇などを引き起こしていたそうです。

この褐色細胞腫は発作的に血圧上昇により命の危険に
さらされることもあるそうです。
9割は良性、1割が悪性なので、早めの診断、治療が必要だそうです。

●診断の経過ででてきた参考になる情報
めまいの分類
・回転性・・遊園地の回転遊具から降りたときのグルグル回る感じ
・前失神・・暗くなったり白くなったりして見ているものが消えていく感じ
・浮遊感・・バランス障害はふわふわする足元がふらつく感じ
・分類不能・・漠然としためまい間、心因性のものの

仮面高血圧
通常は血圧が高いのに病院にくると安心して血圧が低くなる人をいいます。
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立ちくらみは、疲れやストレスなどと簡単に片付けてしまいそうですよね。
聞きなれないこの病気、命の危険にもかかわるので要注意ですね。