更年期になると色々な症状がでてきますが、めまいに悩まれる方も多いですよね。
めまいには、自分の体がぐるぐる回る感じのする「回転性めまい」、よろめくような感じの「浮動性のめまい」、意識の遠くなるような「たちくらみ」、平衡感覚の障害があることが知られています。
また、一過性か、継続性か、耳が起こすめまい、脳が起こすめまいという分類もあります。
しかし、めまいには、脳の病気など原因が明確なものの他は、原因がはっきりしないものが多いそうです。一般的には、めまいの病気というと頭の病気を心配しますが、実は7割の人は耳が原因で起こっているそうです。
このような「耳が原因のめまい」に対して、脳を訓練することで大きな成果をあげている病院があります。
それは、神奈川県横浜市にある「横浜市立みなと赤十字病院」です。耳鼻咽喉科 新井基洋先生が、めまい専門の「めまい外来」で、独自の運動により治療を行っています。
新井先生のめまい診察は、
①眼振検査
カメラ付きのゴーグルをつけ、目の動きを調べ頭がどんな状態のときにめまいが起こるかを調べます。
②足踏み検査
目をつむってその場で50歩足踏みし、体が左右に何度動いたかを調べます。
これらの検査を組み合わせ、めまいの原因を探っていきます。
20年間、めまいに悩まされている女性の場合には、良性発作性頭位めまい症と診断されました。良性発作性頭位めまい症は、三半規管のリンパ液の中に剥がれた耳石が漂ってしまうことで起こります。
検査が終わり原因がわかるとその日から、独自の運動療法が開始されます。
診察室のとなりでは、めまいに悩む患者さんが集団で脳を鍛える運動を行っています。
この運動療法は、国内では30年前に始まったとされる治療法だそうです。
その運動の内容は
①指を見ながら目を左右に動かす目の運動
②指を見ながら頭を左右に動かす方法
など、全部で8通りの運動があるそうです。
この運動療法は、バランスを司る小脳を鍛え平衡感覚を高める効果があるそうです。
重症の患者さんには、4泊5日の入院をしてもらいます。重症の女性患者さんも、驚きの回復を見せており、その評判を聞き全国から年間7000人の患者さんが集まってくるそうです。
詳しい情報については、
めまい外来4泊5日 横浜市立みなと赤十字病院 凄腕の専門外来
で紹介していますので、参考になさってくださいね。
運動療法は、自分で勝手に行うと悪化することもあるので、必ず医療機関の指導のもと行ってくださいとのことでした。