今、脳と、機械やコンピュータを結びつける技術が、最新のテクノロジーとして研究されています。

脳が思ったことを、脳波や血流により何を求めているか解析し、手や足に取り付けられた機械を、まるで自分の体の一部のように自然に動かします。

まさしく、サイボークやターミネータの世界ですよね。

この技術は、ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)と呼ばれています。

BMIには、失われた機能を回復する事と、失われた脳を回復させる事の2通りの考えがあるそうです。

失われた機能の回復では、手や足を失った人や、歩行ができなくなった人に機械を取り付け、それを自分の脳の指令で、自分の手足のように動かすことのできる技術です。

腰のところに装着し、歩けない人の補助をする歩行アシストロボットなども、これにあたります。

また、脳機能の回復では、脳梗塞や事故などで脳が損傷し機能を失った人のリハビリテーションに使います。

今、これらの技術により、次々と奇跡が起こっています。

脳に新しい回路をつくるためには、脳と動作を関連付けることが必要になります。

まず頭で指が開くことをイメージします。そのイメージは脳波となって現れます。その脳波を正しく分析し、補助器具を動かします。そして動いたことを脳が感じ取ることが必要です。

このリハビリを1日1回 約40分2週間の集中リハビリを行います。この治療は、これでいいんだという確証が持てるため、リハビリの効果が格段と高めることができるそうです。

慶應義塾大学医学部リハビリテーション 里宇明元先生によると、BMIにより感覚をフィードバックすることで、脳は学習し、神経ネットワークが拡がりを助けてくれるそうです。

事故で左脳の大部分を失い寝たきりを宣言された、17歳の少年は、5年のリハビリをかけ、言葉、歩行を回復することができました。

諦めない限り、脳は回復をめざして神経細胞を伸ばし続けていくそうです。