心臓の病気というと、狭心症や心筋梗塞などの怖い病気で胸が締め付けられるような痛みで救急車で運ばれるのを想像しますよね。
一般的には、胸が痛い、呼吸ができない、吐き気がする冷や汗が止まらない、などの症状が現れますが、それとはまったく違った場所に痛みがでる場合があるそうです。
それを放散痛といいます。心臓の痛みを伝える神経と、手や脚の神経の場所が近いために、痛みが混線してしまうために起こるのです。
簡単にいうと、脳が心臓の痛みの連絡を別の場所だと勘違いして起こってしまうんですね。
痛みは、左手小指や、肩や背中の痛みとなってでることがあり、特に左側の痛みとなった場合には、疑ったほうがいいそうです。
これらの痛みは、運動したりすると起こるなど、「再現性」があるのが特長です。
心臓の病は、即命の危険性につながります。どうすれば早期発見できるのか、しっかり覚えておきましょう。
放散痛で心臓の痛みが左肩に
番組で紹介された男性は、肩こりに悩まされていました。いつもの肩こりは、妻のマッサージを受けて楽になっていました。
ある日、何もしていないのに朝から左肩だけが凝っていました。あとから考えると、この時が、26時間後に爆発する時限爆弾のスイッチが入ったと考えられます。
左肩だけの肩こりから、24時間後には暑くもないのに大量の汗。胸を締め付けられる圧迫感。それは、巨大な手で胸を押されているような圧迫感だったそうです。
男性の隠された病は、急性心筋梗塞でした。心筋梗塞を起こすと80%の人は、胸の痛みを感じるのですが、男性のように左肩の漠然とした不快感や何か重いものが乗っている感覚を覚える人も少なからずいるそうです。
※この男性の場合は、1日たって発作が起きていますが、一般的には、左肩の違和感を感じてから発作が起こるまで、3,4時間後~1日くらいだそうです。
男性の肩の痛みの原因は、放散痛によるものでした。放散痛とは、実際に痛んでいる場所とは違う場所が痛いと感じることです。
心筋梗塞を起こすと、冠動脈が詰まり心筋の壊死が始まります。すると心筋から痛みの伝達物質が分泌されます。その物質は自律神経を通じて脊椎の中にある神経の通り道を経由し、脳に信号を伝えています。
ところが、自律神経が脊椎につながる神経の通り道は、肩こりなどの肩からの痛みを伝える神経も合流しています。そのため心臓と肩の神経が混線し、脳が心臓の痛みを肩の痛みと勘違いするのです。これが、心筋梗塞なのに左肩の違和感を感じる原因です。
急性心筋梗塞の放散痛は、肩こりのほか、胃の違和感もあるそうです。
胃の違和感は、胃がモヤモヤする感じや、むかつき、吐き気を伴う、食前・食後関係なく現れる、こんな時は注意が必要だそうです。