体がだるく、手の関節部やまぶたが赤くなったりしていたら、多発性筋炎、皮膚筋炎の可能性があります。

この病気は、自分の免疫が自分の体を攻撃しておこる自己免疫性疾患の一つで、国の難病指定となっています。

自己免疫性疾患は、攻撃してしまう体の場所により病名が異ります。多発性筋炎と皮膚筋炎は、主に皮膚や筋肉、肺を攻撃して起こる病気です。

疲れやすい

40~60歳の中年以降の女性に多く発症するので、注意が必要です。主な症状としては、倦怠感や疲労感、食欲不振があります。

これらの症状は、中年になれば誰でも思いあたること。それゆえ、病気と思わず悩んでいるうちに悪化してしまうことが多いので、注意が必要です。

多発性筋炎と皮膚筋炎の症状と治療法

【症状】
●筋肉への影響
・体がだるい
・疲れやすい
・頭が枕から挙げられない
・腕が上げづらい
・太ももが痛い
・食べ物が飲み込みづらい
・しゃべりづらい
・息切れする

これらの症状は、全身の筋力が低下してしまうために起こる症状です。

●皮膚への影響
・まぶたが赤く腫れる
・鼻の下や頭皮に赤い斑点(紅斑)が現れる
・手指の関節部がカサカサして盛り上がり赤くなる

その他、人により、首や胸、背中などにも紅斑が現れることがあります。

【診断】
・筋力テスト
・血液検査

【治療法】
治療は、薬物による治療が基本で、炎症や免疫機能を抑えるための「ステロイド剤」や「免疫抑制剤」が処方されます。

炎症を抑える「ステロイド剤」は、副作用として筋力低下を引き起こすことが知られています。

【注意点】
・治療中は疲れやすいので、できるだけ安静にして、きつい仕事や労働は避ける
・筋力の低下を避けるためリハビリや理学療法を受ける
・日光(紫外線)で皮膚症状が起こるので気をつける
・病気にかかりやすくなるので、マスクを着用する

多発性筋炎・皮膚筋炎は、命に関わる病気ではありませんが、まれに、合併症として「間質性肺炎」や「悪性腫瘍」を併発することがあります。

症状に思い当たる方は、ぜひ、リウマチ(膠原病・免疫)内科、内科、皮膚科などで診断を受けてみてください。