うつ病は、私たちの身近にとても多くなっているような気がします。

うつ病は、精神や身体にストレスが原因となり、脳の機能障害が起きている状態です。

うつ病という症状が広く認識されるようになり、病院で診察を受ける人が増えた理由かもしれませんね。

今回の病の起源は、この「うつ病」がテーマです。

うつ病は人間だけのものではなく、5億2000万年前の魚のときからあったというから驚きです。

それは天敵から身を守るために機能する扁桃体の暴走により、引き起こされるもののようです。

進化が進み、魚類からほ乳類へと受け継がれ、群れで暮らす中でさらに「うつ」になる条件が備わっていったとか・・。

現在は、血漿中にあるエタノールアミンリン酸の濃度を測ったり、近赤外線で脳の血流量を測ることで、うつ病の判定ができるようになってきたようです。

うつ病は、防衛本能がもたらす宿命大変興味深いテーマですね。
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うつ病を引き起こしているのは、脳の奥深くにある扁桃体。

扁桃体が活動すると、恐怖、不安、悲しみなどの感情が生まれます。うつ病の患者は、健康な人より扁桃体の活動が強いといいます。

その扁桃体は、生物が進化するために、極めた重要な役割を果たしてきたそうです。

5億2000万年前の魚の時代、天敵から身を守る仕組みとして、扁桃体からでるストレスホルモンにより、瞬時に身をかわせることができるようになったそうです。

しかし、ストレスホルモンが出続けていると脳を萎縮させ、うつ状態になってしまうことがわかってきました。

人類はかつて、生きるためには、狩猟による共同生活を営むことが必要でした。共同生活は、公平、平等が基本。その時には、人類には「うつ」というものはなかったそうです。

しかし、メソポタミアで農耕が生まれ、富と権力ができるようになり、平等の基本が崩れてしまいました。

そして現代社会、競争、権力、命令、あるとあらゆるところで人はストレスにさらされるようになりました。

調べてみると、自らの判断で動く職業の人はうつが少なく、営業職や、技術職など、上司からの指示で仕事をする人にはうつ病の発症が多いそうです。

孤独、競争、ねたみ、現代社会が生み出した仕組みがうつ病を生み出しているのだと言います。

最新のうつ病治療法

DBS 脳深部刺激

ドイツ ボン大学で行われたうつ病治療です。脳の奥深くに電極を埋め込み、電流で刺激して脳の働きを改善。期的なり療法として注目されています。

DBSは、頭に穴を開け電極を埋め込み、ペースメーカーからの電気刺激により扁桃体の活動の正常化をはかり、うつ症状を抑えます。

この治療により、以前は家族との会話もできなかった人が症状が劇的に改善したそうです。

TLC 生活改善療法

スタッフとの信頼関係を築き社会的な結びつきを構築します。

また、定期的な運動や生活の改善にも取り組みます。運動は、萎縮した神経細胞を再生させることがわかってきました。

昼間は太陽の光をしっかり浴び、夜はしっかり眠る規則正しい生活は、ストレスホルモンの分泌を正常に戻す働きがあるそうです。

この治療を受けた7割以上の人に改善がみられているそうです。7年間薬を飲み続けていた人が、1年の治療で薬をやめられたそうです。

日本でも、この生活の改善による治療法は、始まっているそうです。
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生物の進化とともに備わった素晴らしい能力が、競争という現代社会の生きる人を悩ましているとはなんか寂しい気がしますね・・。

平和で平等で競争のない世界に生きることが、うつ病をなくすことだとすると、人は、いつその世界を手に入れられるのでしょうか・・。