総合診療科は、特定の病気や臓器にこだわらず、あらゆる病の可能性を探る診療科です。
茨城県水戸市にある 総合病院 水戸協同病院徳田安春先生は総合診療の名医です。総合診療科として25年、1万人以上の患者さんの病を突き止めてきました。
徳田安春先生の診療を「みんなの家庭の医学」(テレビ朝日)で紹介していました。
慢性的な胸の痛みの原因は脊椎の問題
先生は、患者さんからの訴えから何百、何千の病の可能性を念頭に診断します。
21歳の男性は、慢性的な胸の痛みが何年も続いています。痛むのは、右胸と左胸の下の部分、毎日3回は重い痛みが起こり数分間続きます。
7年前より症状が起こり、10以上の病院へ行っても結果は原因不明でした。痛みだすと、日常生活もできず、眠れなくなることもあるそうです。
先生は、首のうなだれた状態で痛みを確認、さらに首を真っ直ぐにして痛みを確認、
さらに、心エコー、心電図検査、胸のレントゲンを行いました。その結果は、脊椎がストレートになっている、ストレートバック症候群でした。
生まれつき真っ直ぐな背骨が影響し、様々な症状が起こる病です。成長とともに肋骨のバランスも崩れ、胸の筋肉や神経のバランスが崩れ痛みがでてきます。
また、この病は同じ細胞分裂の過程で生じる心臓の病、僧帽弁逸脱症も併発している可能性が高いそうです。彼の場合も、心臓の弁が閉まるときの機能が若干落ちていたそうです。
通常は、成長が止まると痛みが治まってくるそうです。長年痛みに悩んでいる人が多いので、あまり気にしないで生活することが大切だそうです。