足首の痛みは、ちょっと運動したりすると誰でも経験するもの。今回の患者さんも、いつものこととあまり意識もせずに過ごしていました。
男性(23)は、スポーツメーカーの新人営業マン。スポーツは大好きで、週末にはボランティアで少年サッカーの指導をしています。
しかし、1年前に右足首が痛みだし、しばらくすると左足首が・・。やがて他の場所も痛み出し、近くの整形外科に行き薬を処方してもらいましたが、一向によくなりません。
そこで、ドクターG 沖縄県立中部病院 金城光代先生を訪ねます。はたして、そこで診断された病名とは・・
患者の症状
足が痛み出したのは1年前から。プロを目指してましたが大学の時右足じん帯を痛め挑戦をあきらめました経緯があります。
就職後、子供たちにボランティアでサッカーを教えてました。赤く晴れてズキズキと痛み、また再発かと思いました。
足の痛みは2~3日で消えました。その頃、彼女と別れ精神的に追い込まれていました。
1ヶ月前には、左足首の痛みになり、その他肘に違和感を感じるときがありました。
近所の整形外科で痛み止めをもらい一時的に治るので薬をもらい過ごしてました。
冬になると痛みが強くなります。足首を見ると真っ赤になってました。
この半年で痛みの間隔が狭まってきて最初はズキズキが、ジンジンに変わってきました。
体力と筋力も落ちてきたような気がして歩くのも困難になってきました。
足の指をちぎりたくなる位痛くなります。
●第一診断
反応性関節炎
泌尿器や消化器系の関節症に反応して起こる病気
主に膝や足首の関節に炎症を起こす 若い男性に多い
成人リンゴ病
ウィルス感染により、顔や手足に赤い発疹がでる
手足の関節が痛み歩行困難になることもある
関節リュウマチ
関節を包む滑膜に炎症を起し、腫れや痛みがでる
30~50歳の女性に多い
●最終診断への検討は・・
・炎症の4つのサイン
①赤くなる ②腫れてくる ③熱を持つ ④痛み
がでていた。
・関節炎の発症の仕方
①急性 ②慢性(6週間が境目)③単関節 ④多関節炎
・間欠性跛行の可能性がある
血管性や神経系の2つの原因で起こる。虚血性の変化が起きており、手足の末端が血流障害が起きている。レイノー現象と呼ばれる症状が起きている。
●最終診断は・・
バージャー病(閉塞性血栓血管炎)
比較的若いタバコを吸う男性に起こり、手足の血管が炎症する病気。
下肢など限定された場所なので、発熱しない。間欠性跛行などが起こる。
治療法は、禁煙がまず第一、飲み薬で血管を拡げる。ダメな場合にはバイパス手術や、最悪の場合切断の可能性もあります。