これまでの医療から未来の医療へ大きく前進させることになった山中伸弥教授のips細胞。
その研究成果は着々と進み、今や心臓の筋肉である筋膜をつくりだし、治療に取り入れられるようになってきました。
はたして、ips細胞治療の可能性はどこまで拡がるのか、そして、現在はどこまで進んで進んでいるか・・・
心臓病、脊椎損傷、不妊症などを例に、最先端の研究状況をリポート。ips細胞技術の最前線を紹介します。
さらに、糖尿病、脳出血、ガンの最新治療 からセルフメディケーション(薬局)など、経験者の秘話や現代医療の最前線の動きを紹介します。
ips最先端研究
・心筋細胞
大阪大学の心臓血管外科の澤芳樹教授。5年前からips細胞を使った心筋梗塞の治療を行ってます。
心筋梗塞になると、心臓の鼓動を作る心筋は死滅してしまいます。この心筋をipsでつくり、心筋梗塞の心臓に貼り付けることにより、心臓の機能をよみがえらせる治療法です。
・目の網膜
また理化学研究所では、患者の皮膚からips細胞を作成。それを目の網膜に変化させ移植する研究を行っています。2013年より、加齢黄斑変性の臨床試験を行うそうです。
・不妊治療
京都大学 斉藤通紀教授のチームでは、マウスのips細胞から卵子をつくることに成功。その卵子を体外受精させて誕生させました。
この研究は、不妊治療の薬の開発に期待されています。
・脊髄損傷
慶応義塾大学 岡野栄之教授は、6年前から脊髄損傷治療の研究に取り込んでいます。岡野教授は、ips細胞で作った神経細胞をマウスに移植し、脊髄損傷で足を引きずっていたのを走れるようになりました。
さらに猿でも同様の効果を上げることができるようになりました。
・ips細胞ストック計画
ips細胞を予めストックさせることにより、これからいつでも治療ができるうように研究を進めているそうです。
足の血管バイパス手術
国会議員の社会風刺で人気のニュースキャスター渡部又兵衛さんは、糖尿病の合併症により膝から下を切断し、食事制限をしながら義足をつけて舞台に立っています。
8年前に糖尿病により足に壊疽を起こし切断。そのすぐ後に、足のバイパス手術をするある医師を紹介されたそうです。
その医師とは、旭川医科大学付属病院 心血管外科 笹島唯博先生。足の血管バイパス手術のゴットハンドです。糖尿病で血管が詰まると、足が壊疽を起こしてしまいます。
そこで、足の血管をバイパスさせることにより血流を確保し足の切断を回避します。
どの血管を、どこの場所に、どう繋げるかを見極めること、また、髪の毛ほどの細い血管を繋げる技術が必要だそうです。
渡部さんは、もう少し早く笹島先生を知っていれば、足を切断しなくてすんだのに・・と静かに語ってました。
笹島先生は、東京の江戸川病院でも診断をしているそうです。
その他 糖尿病治療の最先端として、内臓脂肪細胞で作られる超善玉善玉ホルモン「アディポネクチン」が糖尿病や動脈硬化改善に期待されるホルモンとして注目されています。