五十肩、四十肩は、多くの人が経験する肩の疾病です。五十肩は肩が痛くて腕が上がらない症状の総称で、病名は「肩関節周囲炎」または「疼痛性関節制動症」などと言います。

他に、五十肩と間違えやすい肩の疾病に、烏口突起炎、上腕二頭筋腱炎、肩峰下滑液包炎、変形性腱板炎・外傷性腱板炎・腱板不全断裂石灰沈着性腱板炎、臼蓋上腕靭帯障害などがあります。

一言に、肩が痛いと言っても、本当に色々な疾病があるんですね。まずは、整形外科を受診し、自分の肩の痛みの原因を特定する必要があります。

色々な原因が考えられますが、五十肩が重症で肩の可動域が狭くなり痛みを伴うものを「拘縮肩」と言います。

五十肩にも言えることですが、炎症を起こしているうちは、夜間痛などで夜も眠れず、ちょっとした衝撃でうずくまるほどの痛みが襲うことがあります。

五十肩は、放っておけば自然に治ると言うひとも多く、症状は様々です。しかし、なかには放っておくと肩関節が固まり、可動域が狭くなり生活の質が落ちてしまう人もいます。

その場合は、地道なリハビリが必要になるわけですが、これがかなり大変で時間を要します。また、リハビリでは限界がある場合もあり本人の満足度でリハビリを終了することも多いようです。

リハビリに時間を使えない場合、または、リハビリに限界を感じた場合、手術と言う選択肢があります。現在では、肩の手術は内視鏡による手術(肩関節視下手術)が主流になり関節を大きく切り開くことなく、肩周りに小さな穴を3か所~4か所空けるものになりました。

この手術により、患者の負担も少なく、術後の後遺症もなく、癒着した関節を切り開くことができます。入院も三泊四日ほどで、術後24時間経過後からどんどんリハビリを始めます。

しかし、簡単な手術と言っても、全身麻酔で行う上に、術後の痛みなどを考えると、躊躇してしまうのもわかります。五十肩で手術なんて・・・と言う思いもあるかと思います。

手術をするかしないかは、患者の満足度や仕事、生活環境などによっても違ってきます。また、担当医の意見によっても違ってきます。

迷った場合は、地道なリハビリを続け生活の中の動きで治していくか、または、手術をして早めに回復させたいか、どちらが良いかを良く考えるとよいですね。

一言加えると、手術をしても、術後のリハビリは必要です。癒着をした状態でリハビリをするか、手術で癒着をはがした状態でリハビリをするか・・・そこも決断するポイントだと思います。