昔は、石鹸といえば固形石鹸で真四角のもの。洗濯石鹸とお風呂の石鹸ぐらいしかありませんでしたが、今では、液体、泡、ジェルなど、いろんなタイプのものがあります。

手洗い

細菌の感染を防ぐには、うがいと手洗いが基本。手洗いでも「薬用・殺菌効果」とつくと、バイ菌も一撃してくれる感じがします。

そんなことから、どこの家庭の洗面所にも必ずといっていいほど、ボトルタイプの薬用石鹸が置いてありますよね。

薬用石鹸と普通石鹸の殺菌作用の違いはない

一般的なスキンケア商品は「薬事法」の管理下にあり、「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」に分類され、それぞれ効果や効能の範囲が明確に別れています。

「医薬部外品」は厚生労働省が許可が必要であり、有効成分が一定の濃度で配合されていて、その効果を訴求することができます。

「化粧品」は、体を清潔にしたり見た目を美しくしたりする目的で使用される製品で、効果や効能を訴求することはできません。

国のお墨付きの有効成分が入っていて、その効果や効能を訴求して販売できるのが「医薬部外品」、そうでないものは「化粧品」となります。

石鹸にも、効果効能を訴求する「医薬部外品」の薬用石鹸と、「化粧品」として売られている普通の石鹸があります。

薬用石鹸には、普通の石鹸より殺菌作用が強いと思われていましたが、実験の結果、殺菌効果はほとんど変わらないことが発表されました。

そればかりか薬用石鹸には、体内に入り込みホルモンのように作用し、内分泌系をかく乱する「環境ホルモン成分」が含まれていることが指摘されました。

殺菌成分「トリクロサン」と「トリクロカルバン」に環境ホルモン作用

2016年9月2日、米食品医薬品局(FDA)が19種類の殺菌剤をが含まれる石鹸などの販売を禁止することを発表しました。

FDAは、殺菌剤を含む薬用石鹸は普通の石鹸とくらべてのほとんど殺菌作用が変わらないばかりか、逆に体に有害なる物質が含まれていると指摘しています。

これらの成分が体内に取り込まれると、「内分泌かく乱作用」や「筋収縮異常」がおこり、動物実験では「肝硬変」や「肝細胞癌」の発症リスクが高まったそうです。

19種類の殺菌剤の中には、日本で薬用石鹸や薬用化粧品によく使われている「トリクロサン」と「トリクロカルバン」とい成分が含まれています。

●トリクロサンが含まれた薬用石鹸 (2016年9月1日時点)

・薬用せっけんミューズ(アース製薬)
・ビオレU薬用泡ハンドソープ(花王)
・ナイーブ 薬用ハンドソープ(クラシエ)
・薬用ハンドソープ メディキュッ(ロケット石鹸)
・デオタンニングソープ(柿渋石けん)(コスメテックスローランド)
・メディッシュ薬用ハンドソープ(牛乳石鹸共進社)

また、「ピュオーラ薬用ハミガキ」(花王)、「薬用ディープクリーンハミガキ」(花王)といった歯磨き粉や、マウスウォッシュなどにも使用されている商品があるそうです。

いずれも有名どころの、どこの家庭にもある商品ばかり。トリクロサンなどの成分は、口から入らなくても皮膚から体内に取り込まれてしまうそうですから怖いですね。

成分が入っているかどうかの見分け方

アメリカでは2016年9月より販売禁止、欧州では2015年より販売中止になりましたが、現在のところ日本では、そのような動きはありません。

日本のメーカーは、「厚生労働省の認可を受けている商品」として静観しているようです。(一部のメーカーでは成分の使用を止めるところもでてきたそうです。)

「トリクロサン」や「トリクロカルバン」は、薬用石鹸以外にも、洗顔、クレンジング、スキンケア、ヘアケア、ボディケア、日焼け止め、ベースクリーム、口紅など、多くの商品に使われています。

成分が入っているかどうかは、製品の後ろに書いてある成分表やパッケージに書いてあるかどうかで見分けることができます。

体にこんな害があるとなるなると、見過ごせない情報ですよね・・。厚生労働省が認可しているといっても、エイズの血液製剤の例もありますし・・。

とりあえず、今使っている商品を、全チェックしてみようと思います。

参考記事:Business Journal http://biz-journal.jp/2016/09/post_16586.html