週刊現代が2016年5月30日に掲載した『ダマされるな! 医者に出されても飲み続けてはいけない薬』の記事で、医療の現場がパニックになっているそうです。
最初の特集記事では、メージャーな薬49種について解説。薬の副作用に加え、「いつも飲んでいる薬は飲んでもきかない薬、寿命はのびない薬」と指摘しました。
「効かない薬特集」は、その後7号にわたる連載企画となり、週刊現代の発行部数を伸ばしました。
この記事を読んで心配になり、医師に詰め寄ったり、薬を拒否したり、薬を自分で勝手に止めてしまったりと、医療の現場で大混乱が起きたそうです。
この騒動を受けて、週刊ポストや週刊文春も『薬特集』に参入。「薬は止めるべきか、薬を続けるべきか」の論争が続いています。
「命を救ってくれるはずの薬が命を脅かしているかもしれない・・」そんな風に言われたら、当事者である私たちは混乱するばかりですよね。
「日本の医療は薬を処方しすぎる・・・」という情報が、私たちの頭の中に刷り込まれていたこともあります。
事実、50代を過ぎると、食後の薬飲みは当たり前の光景。友人と食事に行くと、「あなた何飲んでいるの?私は、15錠・・・」など、病気と薬自慢が始まってしまいます。
実際に、どの薬がどう効いているか、自分でもよくわからずとにかく薬を飲んでいるのが現状ではないでしょうか。
医師や薬との正しいつきあい方
新たに診療を受けるとき他の病院での診療の有無や、今飲んでいる薬について聞かれることなく処方されていることがあります。
処方する薬のトラブルを避けるため「お薬手帳」の利用が薦められていますが、毎回「お薬手帳」を持参している人は少ないのではないでしょうか。
投薬の管理を「医師がしてくれるのか、薬剤師がチェックするのか」、今ひとつ明確でないのが、ちょっと怖い気がします。
「薬はダブってないの?」「飲み合わせの悪い薬はないの?」など、素人でも心配になってしまうときがあります。
「あの医者はよく診ないで、いつも同じ薬をだすだけ・・」など、医師に対するの不信感もありますしね。
今回の『薬騒動』の背景には、私たちの日本医療全体に対する不信感があるような気がします。
●医療を受けるときのルール
医師や病気と正しく向き合うには、自分でルールを持つ必要があります。例えば、私は、以下のようなルールをつくって自分自身を守っています。
①初診時に、自分の病歴と飲んでいる薬を医師にしっかり提示する
②診療の際、体調の変化や薬の処方効果を、毎回必ず医師に報告する(変化がないときも「変化がありません」とはっきり言う)
③体調がおかしくなったら、次回の診察を待たずぐに病院に報告し指示を受ける
①については、自分と家族の分を事前にまとめておき、何枚もコピーしておいて、いつでも出せるようにしています。
病歴は子供の頃まで遡って書いてあると、医師が体質などについても判断しやすく治療方針を立てやすくなります。
病気の治療は、「患者と医師が一体となり、病気に取り組むこと」が基本です。それには、医師との綿密なコミュニケーションが大切です。
それを拒む医師や嫌がる医師なら、きっぱり病院を変えるべきと思います。
薬は自分で判断して、止めたり続けたり、以前の薬を組み合わせて飲んだりするのは、とても危険ですので絶対に止めてくださいね。
どうしても心配な時は、嫌がられるなどと思わず、担当医師にしっかり確認すべきだと思います。