肺炎と言えば、風邪をこじらせて病院へ行ったところ、肺炎と診断された人も多いのではないでしょうか?
咳がなかなか止まらず、高熱が続き、胸のレントゲン検査で肺炎と診断されるケースですね。
肺炎の中には、高熱もでず1週間で死亡してしまう肺炎がありますので、軽く見ない方が良いようです。
その怖い肺炎は、血管に細菌が入り全身に菌が運ばれ菌血症を起こす「肺炎球菌性肺炎」です。肺炎の中では20%を占め、60歳以上の人の約50%が肺炎球菌による肺炎にかかっています。
「肺炎球菌性肺炎」は髄膜炎や心内膜症などを引き起こし、1週間で死亡してしまうケースがあります。
心臓、肝臓、腎臓などの疾病や糖尿病などの持病がある人は、感染しやすく重症化する可能性も高いと言います。
そんな怖い肺炎を見分けるには、尿検査が有効だそうです。肺炎の検査は胸のレントゲン撮影かと思っていましたが、尿検査なら15分で結果がでるようです。
運悪く肺炎にかかってしまったら、抗生物質を飲めば大丈夫と思いきや、現在、抗生物質に耐性を持った肺炎球菌も存在し、薬が効かないケースも出ています。
このような怖い肺炎を防ぐには、予防接種が効果的です。肺炎で死亡する人の約9割が65歳以上の高齢者ですので、65歳以上の方は、肺炎球菌ワクチンの接種を受けることをおすすめします。
死亡率の高い肺炎球菌性肺炎は、ワクチンの摂取と尿検査で万全の体制を取りたいですね。
主治医が見つかる診療所では、尿検査による肺炎の有無や、夏に急増する肺炎、窒息死を招く気管支ぜんそくなど呼吸器の病気を詳しく紹介してくれました。
肺炎球菌性肺炎
73歳で肺炎球菌性肺炎になった男性は、37℃程度の微熱、体がだるい、咳は出ないという症状で病院で診察を受けたところ夏カゼと診断され薬を処方してもらいました。
しかし、1週間たってもよくならず、別の病院で診断を受けたところ肺炎球菌性肺炎と診断され、2日遅れたら死んでた可能性もあったと言われたそうです。
肺炎球菌性肺炎とは、肺炎球菌という細菌が肺に入り込み、激しい炎症を起こす病気です。肺炎球菌は、空気中に存在しており、多くの人の鼻や喉に生息しています。
普通の体力では感染しないのですが、高齢者や体力の落ちている時などに、肺炎球菌が繁殖し肺炎を引き起こします。
免疫状態が良くないときには、体の免疫機能が正しく反応できないため、肺炎特有の症状である高熱や咳などもあまりでません。
そのため、夏カゼ程度と軽く考えてしまい、重症化してしまいます。かかってから1週間で死につながることもあるので注意が必要です。
●検査方法
・レントゲンまたは尿検査により診断することができます。
●夏カゼとの見分け方
・今までのカゼでは経験しなことのないような、異常なだるさです。数日たつと全身に力が入らず立ち上がるのも困難になります。
●ポイント
病院で治療を受けていても、いつものカゼとだるさが違う、様子が悪くなっていると感じたら、薬が残っていても、すぐに病院へ行きその事を知らせることが大切です。
肺炎球菌ワクチンの予防接種が有効なので、65歳、70歳、75歳と5歳刻みで補助金がでますので、予防接種を受けてくださいとのことです。
夏型過敏性肺炎
微熱、咳、息切れなどの症状が悩む女性が病院で診察を受けたところ、即入院と言われました。彼女は、トリコスポロンというカビを吸い込み、肺にアレルギー性の肺炎を起こしていました。
トリコスポロンは、水回りにできやすいカビで、黒カビとは違い白かったり黄色い色をしています。家にいる時間が長く、家事をする女性になりやすい病気です。
慢性化すると、徐々に肺の細胞を壊していくため呼吸不全を起こし、死に至ることもあるそうです。
脱衣所、浴室、台所の水周りの他、木造住宅、結露のおこるマンション、川や池の近くなど、高温で湿度が高くなる場所は注意が必要です。
●対処法
カビの繁殖する場所を掃除、改装してカビを取り除くことが必要です。アレルギーになった場合、最悪、家の転居をしなければならないこともあります。
●検査方法
血液によるアレルギー検査で調べることができます。
●夏カゼのとの見分け方
旅行や出張など数日単位で家から離れると症状が改善し、家に戻ると悪化する場合は、夏型過敏性肺炎疑いがありますので、すぐに病院へ行ってください。
気管支ぜんそく
空気を肺に取り込む気管支に慢性的な炎症を起こす病気が、気管支ぜんそくです。花粉やホコリなどアレルギーが原因で発症することが多いですが、カゼがきっかけとなることもあります。
炎症を起こすと気管支は敏感になり、冷たい空気、湯気、香水などの刺激をきっかけに咳が止まらなくなります。
悪化すると、気管支がどんどん狭くなっていき、呼吸困難になることもあります。
●カゼとの見分け方
・咳が喉からではなく、胸の奥の方から咳がでる
・エアコンの使用や天候の変化で咳がでる
●治療
大人の気管支ぜんそくは完治が難しいので、早期発見、早期治療が大切です。
気管支を拡げるベータ刺激剤は、即効性がありよく効きますが、1日3、4回が限度。1日10回以上使うと心臓発作や不整脈が起こることがあるので注意が必要です。
大人になってから発症する気管支ぜんそくは、カゼをきっかけに発症する事が多いそうです。咳が長引く場合には、早めに医師に相談し治療を受けてくださいとの事でした。