最近、がんを臭いで判別する検査が普及してきました。日大医学部では犬の嗅覚でがんを判別する実験を本格的に開始し、いずれ犬によるガン検診が可能になるかと思われます。
犬と同じく人間の1億倍の嗅覚をもつ生物に線虫がいます。この線虫は、「Cエレガンス」と言い、がん患者特有のニオイが大好物。
ガン患者の呼吸や血液、尿などには、独特のニオイが溶け込んでいるそうです。これが線虫のエサのニオイと似ていて、このニオイに集まってきます。
実は、線虫は人間の組織の臭いが嫌いで、健常者の尿からは遠ざかり、がん患者の物には群がると言う性質があるそうです。
この習性を利用して、がん患者を見極める検査を「n-nose」と言い、九州大学が開発しました。
実験は、がん患者24人、健常者218人の尿で行いました。その結果、Cエレガンスは、23人の尿に反応し、がん患者を特定することができました。発見率は、なんと96%です。
また、健常者218人をガンではないと判断する精度も95%と高い確率でした。
しかも、ステージ1~4までどのレベルのガンかも見分ける事ができ、すい臓がんのように発見しづらいガンにも反応しました。
驚くことは、内視鏡をしなければ見つからないようなステージ0期の早期ガンまで発見できるそうです。
現在のところ、どのガンに侵されているかの判断はできないようですが、遺伝子操作で特定のガンだけに反応する線虫、または反応しない線虫を試作しているとのこと。
線虫による検査は、PETなどの最先端医療機器に比べ、検査コストがわずか500円ととても安価なことがスゴイ!
実用化され健康診断に加わるのは、あと10年ほどかかると言うことですが、保険が利かず多少高くなりますが、5年後くらいには、実用化できるそうです。