人間にかぎらず全ての生物にとって、睡眠はとっても大切なもの。
ホルモンを分泌させたり、記憶を整理したり、疲労を取り去ったり、健康で生きていくためのコンディションを整えるための重要な役目をしています。
春先などは、本当に気持ちがよくて、朝なかなか布団から出られなくなってしまいますよね。そんな人は問題ないのですが、最近、睡眠障害に悩む人が急激に増えています。
夜間眠れなかったり、日中眠くなるなどの睡眠障害で治療の必要な人は、1700万人いると言われています。
睡眠障害と一言でいっても、いろいろな症状があります。日本経済新聞の「日曜に考える/ヘルス」で
睡眠障害の症状と病気との関係についてまとめていましたので紹介します。
●代表的な睡眠障害の症状
(日本経済新聞より)◆不眠に加え食欲低下や興味の減衰
・・・うつ病の疑い◆睡眠時の呼吸停止やいびき、強い眠気
・・・睡眠時無呼吸障害の疑い◆夜間の足のむずむず、ぴくつきなどの感覚、運動症状
・・・睡眠時関連運動障害◆睡眠時間が十分なのに強い眠気
・・・過眠症の疑い◆睡眠時の大声、手足を動かす、歩きまわるなどの異常行動
・・・睡眠時随伴症の疑い◆昼夜逆転など眠れる時間帯の異常
・・・概日リズム睡眠障害◆記に当てはまらない状態
・・・その他の原因による不眠症
また、眠れないのではなくどこでも寝てしまう過眠症(ナルコレプシー、突発性過眠症)というのもあります。
さらに、不眠が引き起こす別の症状として、寝ている間に血圧が高まる「夜間高血圧」や、血糖値が高くなる「夜間高血糖」などが現れることがあるそうです。
テレビ朝日「みんなの家庭の医学」では、睡眠が及ぼす体の不調と改善法を紹介してくれました。
みんなの家庭の医学 睡眠時間と夜間高血糖はここから
現代人は、慢性的な睡眠不足であることから、やがて糖尿病になる人がどんどん増えるのでは・・と危惧されているそうです。
寝不足になると、寝ている間に血糖値が高くなる夜間高血糖になってしまいます。
血糖値は、血糖値を下げるブレーキ役のインスリンと、血糖値を上げるアクセル役のノルアドレナリンのバランスでコントロールされています。
血糖値を上げるノルアドレナリンは、交感神経が活発な日常に分泌量が多くなり、副交感神経が優位になる睡眠中は少なくなります。
しかし、睡眠時間が短いと夜休まるはずの交感神経が睡眠中も活性化してしまうため、寝ている間もノルアドレナリンを分泌し続けてしまいます。
その結果、就寝中ずっと血糖値が高い状態が続いてしまいます。これは、とても危険な状態だそうです。
この状態が長期間続くと、すい臓からインスリンを分泌できなくなり、やがて糖尿病を発症してしまいます。
北海道大学の調査では、糖尿病(2型)の発症リスクは、7時間睡眠と人を1とした場合、5時間以下の睡眠の人は5.4倍に高まってしまうそうです。
アメリカ・イエール大学の調査では、理想的な睡眠時間は7~8時間で、7時間より短くても長くても糖尿病の発症リスクが高まるという結果がでました。
同様に睡眠時間と冠動脈心疾患の危険率を調べてみると、8時間を境に同じ傾向が見られました。
今、高血糖の方も睡眠時間を7、8時間にすれば、血糖値も下がってくるそうですから、お悩みの方はぜひ試してみてください。
成長ホルモンや美容効果を考えると、11時就寝で7時起床が理想かもしれませんね。