私たちを当然襲う病。心臓の痛み、割れるような頭痛、呼吸困難、大量の出血、吐血、意識障害・・・。めったにおこらないことですが、どこの家庭でも起こる可能性があります。

まずは、救急車の手配。そこまでは、だれでも知っていることです。では、救急車が到着するまでの5分~10分の間はどうすればいいのでしょうか。

実は、救急車が到着するまでの間に、何をするかで生死を分ける結果になってしまいます。素人だから動かさないで見守っていたほうがいいは、大きな間違い。そんなことをしていると助かるものも助からなくなってしまいます。

応急処置の方法を知って適切な処置をすれば、命を助け後遺症などの障害を最小限にすることができます。ですから、一度は家族みんなで消防署で救命講習などを受けることをオススメいたします。

心肺蘇生

とくかく心臓停止と呼吸停止は、一刻の猶予もありません。ですから心肺蘇生術は、だれでも知っておく必要があります。

また講習を受けても、実際その場になるとパニックになってしまい、どうすればいいのかわからなくなってしまうことがあります。そんな時のために、応急処置の仕方をまとめた資料があると安心です。

インターネットにはたくさん情報があるので、プリントアウトして壁に貼っておくといいですね。

H27年2月7日放送 日本テレビ「世界一受けたい授業」では、1億人が知っておくべき正しい応急処置を、北里大学の救急センター上條吉人先生が教えてくれました。

モチをノドに詰まらせたとき

咳をさせて、とにかくモチを出させます。それでもダメな時は前かがみにして肩甲骨の間を強く叩き吐き出させます。

もちが口の中に見えないとき指を入れてだそうとすると、余計に押し込んでしまいます。水を飲ませてもいけません。

子供が誤飲したとき

誤飲は、飲んだ物により処置の仕方が違ってきます。

・マニュキア
子供の誤飲で多いのがマニュキアだそうです。マニュキアの場合、水を飲ませたり吐かせたりしては絶対ダメ。

余計に症状を悪化させてしまいます。何もせず、すぐに病院へ連れていってください。

・酸性やアルカリ性のもの
台所洗剤、トイレ用洗剤、シャンプーなどの化学製物質が含まれているものは、水や牛乳を飲ませ成分を薄めさせます。その後、すぐに病院へ連れていってください。

やけどのとき

服を脱がせないで、直ちに服の上から流水をかけ20~30分冷やします。

冷やすのが早ければ早いほど、症状が軽くなります。服を脱がせると、できた水ぶくれが破れたり、剥がれたりしてしまうので症状を悪化させてしまいます。

目に異物が刺さったとき

目が動いて異物でダメージが増えないように、両目を閉じてください。目は左右同じ動きをするで、片目を開けていると、異物が入った方も動いてしまい傷口を拡げてしまいます。

紙コップと切れ目を入れた包帯を用意し、紙コップで異物の方の目をフタし、片側も包帯でまくといいそうです。

脳卒中

脳卒中とは、脳梗塞、脳血栓症、くも膜下出血をいい、年間約12万人が死亡しています。

脳梗塞や脳出血が起こると出る症状
①身体の片側に力が入らない
②しびれを感じる
③言葉が上手に話せない
④ものが見えにくくなる

くも膜下出血は、バットで殴られたような激しい頭痛が起こります。

脳卒中のときは、すぐに救急車を呼んでください。脳卒中は、発症後3~4時間以内に治療を受けるのが鉄則です。

軽い症状でも溶体が急変する可能性があるので、様子見をせず救急車を呼びます。水を飲ませると、ノドがマヒしているため肺に入り危険ですから飲ませないでください。

救急車がくるまでの処置
①首やベルトなど締め付けているものを緩めます。
②身体を横向きにし、吐出物がノドに詰まらないようにします。
③頭を上げたほうが血圧が下がります。

心肺停止の時・・

心肺停止状態の人に2分以内で実施すると、救命率は約9割上がります。心肺蘇生は人工呼吸をしなくてもよく、心臓マッサージだけでいいそうです。

心臓マッサージのポイントは、「強さと速さ」です。

押す場所は、乳首と乳首の中間を押します。
心臓マッサージは、
①最低1分間に100回以上
②押す力は胸が最低5cmは沈むように
③肋骨が折れても押すという気持ちで押すそうです。

AED到着まで強く、早く、絶え間なく心臓マッサージをするだけで命を救う確率は上がります。一人の場合には、まず119番通報が先です。その後、救急車が到着するまで、心臓マッサージを絶え間なく続けてください。