今、神戸で現役の内科医として活躍している梅木信子先生は、なんと94歳だそうです。背中もぴしっとして、とても90歳オーバーには見えません。
梅木先生は、大正9年(1920)年大分で生まれ神戸で育ち、1945年に東京女子医学専門学校(現在の東京女子医科大)を卒業し医師になりました。
その後、40歳で東京都日野市に開業し内科医として活躍していました。
90歳前に日野の医院をたたみ育った街神戸市に戻り、現在は臨時医師として現役で働いてらっしゃいます。
淡路島への訪問検診へもどんどん出かけるほどパワフルに活動なさっているようです。
夫の遺影と結婚式をあげ入籍
梅木先生は、現在独身です。といっても先生には、とても訳ありの既婚歴があります。
梅木先生と許嫁の関係だった靖之さんは、1943年に先の大戦で戦死してしまいました。つまリ結婚する前に、亡くなってしまったのです。
そのため、梅木先生は、戦後に結婚確認の裁判をうけ夫婦であることを認めてもらい、靖之さん遺影と結婚式を挙げ入籍しました。
梅木先生が医師になれたのは、夫靖之さんの遺族となったお陰だといいます。
夫への愛と医師としての使命
当時、戦没者の遺族には医大の入学試験を特別枠で受けられる恩典がありました。
靖之さんのお父さんは、万が一息子の靖之さんが亡くなったときはそれを利用して医者になりなさいと、梅木先生に遺言を残していたそうです。
そして、そのことを父に託していたのは、靖之さんだったそうです。
その制度を利用し梅木先生は医者になり、人の命を救う医術の世界で生きてきました。
夫靖之さんの許嫁になったのが18歳の時だそうですから、それから76年間、ずっと靖之さんへの愛をつらぬいてきたんですね。本当に、すごい方ですよね・・・。
ベランダ菜園の食材で手料理
梅木先生の趣味は、短歌と料理。自宅にベランダ菜園をつくりお友達を招いて手料理を振る舞うことだそうです。
どんな生活をすれば、梅木先生のように、いつまでも元気でいられるのか、その秘訣を「主治医が見つかる診療所」で紹介してくれました。
梅木先生は、料理をつくるのが大好き。料理は頭を使うので認知症予防になります。料理をする人と、しない人で認知症にならない確率は3.3倍も違うそうです。
ベランダ菜園では10種類の野菜をつくっています。そこで採れたバジルをつかい、バジルソースを作ります。
松の実、アンチョビ、オリーブオイルをたっぷり使ってミキサーし、ベーターカロチンをしっかりとります。
そして、家の中の掃除も自分でやります。お年寄りは、できることは全部自分でやった方がいいそうです。
高齢者の転倒は屋外より、屋内のほうが多いため、掃除をして部屋が片付いていると転倒予防にもつながります。
また、休みの日はなるべく自分の足で歩くことが大切だと言います。今日は何をするか目的を決めて散歩すると長続きするそうです。
そして、いつも好奇心と探究心を持ち続けることが、元気の秘訣だそうです。