夏が近づき、汗対策に注意が必要な季節になってきました。実は、女性にも普通の汗の臭いだけでなく、加齢臭や疲労臭といわれるニオイがあることがわかってきました。
●東京医科歯科大学病院 発汗異常外来 藤本智子先生の話
汗は体温調節の大切な機能で、汗をかかないと体内に熱がこもって熱中症になってしまいます。汗は全身で200~400万あるエクリン腺というところからでてますが、汗そのものには臭いはないんです。
皮膚の上に常在菌という細菌が繁殖して、それが臭いになります。菌が繁殖するには栄養、温度、水が必要。汗が栄養と水になります。それに雑菌が繁殖して時間がたつとニオイになります。
●30歳頃の臭い
30歳頃の匂いの原因は「過酸化脂質」が原因です。過酸化脂質は、個人差があるのですが、やはり年齢が上がってくると生成される量も違ってきます。一般的に、食生活や日常生活、脂肪の多さも関係しているようです。
●女性の加齢臭
女性ホルモンは汗をかきにくくし、かいた汗が酸化するのも防いでいます。そのため女性ホルモンが減少する更年期には臭いの注意が必要です。閉経前後になると、女性ホルモンの分泌量が減少しべとべとする汗をかくようになってきます。
その汗の中に、臭いの原因となる「ノネナール」が量が増えてきます。これが女性の加齢臭となるのです。
●疲労臭
また、疲労が蓄積すると、汗の中にアンモニアがでてきます。これが疲労臭で、疲れがたまって肝臓の機能が落ちると、アンモニアが分解されずに汗になってでてきてしまいます。
この疲労臭を防ぐには、シジミなどに含まれているオルニチンにより、肝臓のアンモニア分解機能を高めることだそうです。また、クエン酸が含まれた、黒酢、梅ぼし、かんきつ類などもいいそうですよ。
●汗臭さの対策
1・サラサ汗をかく
汗を抑えるのではなく、逆によくかくようにして、汗をさらさらにします。さらさら汗にはニオイもありません。ちょっと汗ばむくらいの運動や半身浴をして汗腺を活発にしておくと汗がサラサラし匂いもなくなってきます。
2・食事を見直す
やはり肉類を食べると匂いが強くなる傾向があります。野菜や抗酸化作用のある食物を摂るようにすると良いようです。健康や美容、老化防止のためにも、野菜摂取はいいですよね。
3・ぬれたタオルで汗を拭く
汗をかく場所は、ワキのした、胸の間、背中、首筋です。こまめに汗を拭くとニオイを防げます。汗は水溶性なので乾いたタオルでなくぬれたタオルで拭くのがいいそうです。
4・消臭対策アイテムを使う
・消臭サプリメント・・・食べることにより、息や体からいい香りが漂います。
・ボディシャンプー・・・消臭とスキンケアを兼ねた女性用石鹸を使うのも手です。
・消臭クリーム・・・殺菌・消臭・制汗の3大有効成分を配合しています。
・ひんやりするスカーフ
・制汗パット、制汗スプレー
・汗のにおいを消すアロマバンド・・・今年売れているそうです
・肌着・・・制汗、消臭、速乾性