命の煌きスペシャルでは、8年間も不妊治療を続けていた夫婦が紹介されました。
卵子を採取する痛みに耐え、高額な医療費を払い、今回もダメだった・・と落胆し、そんなことの繰り返しで、身も心も疲れてしまう先の見えない不妊治療。
40歳になり、「もうこれで終わり」、「2人で生きていくという選択肢もあるよね」と夫婦で話し合った矢先、新たな医療技術により子供を授かりました。
不妊治療 凍結胚移植で妊娠
番組では、8年間にわたって不妊治療を続ける夫婦を取材しました。
北海道に住む二人は結婚13年目。奥さんの両親と一緒に暮らしています。結婚して3年しても子供ができませんでした。ともみさん32歳のとき、2人は不妊治療を開始します。
不妊治療には、4ステップがあります。
Step 1 タイミング法
Step 2 人工授精
Step 3 体外受精
Step 4 顕微授精
タイミング法とは、基礎体温で排卵日を予測し、夫婦生活をコントロールする方法です。
体外受精の費用は、1回約20万円~50万円。
顕微授精の費用は、1回約25万円~60万円。
2人はStep4まで何度もトライしますが、それでもできませんでした。そんな時、知り合いに紹介された凍結胚移植。凍結胚移植は、最新不妊治療で、成功率は55.8%、出産した再高齢は44歳だそうです。
凍結胚移植は、顕微授精をし、分割を始めた段階(受精2日目)で液体窒素(-196℃)で受精卵を凍結させます。この凍結受精卵は、解凍すれば何年先でもまた活動を開始するそうです。受精卵を期間を置いて移植できるのが特徴です。
番組で紹介された凍結胚移植を行っているのは、岩城産婦人科の岩城雅範院長。
この治療で大切なのは、受精卵を着床させるための準備です。受精卵が着床するには、子宮内膜と胚が接触して、そこに食い込まないと着床しないと言います。
内膜が薄い人は厚くするような治療法を行います。子宮内に赤ちゃんのベッドを準備するわけですね。
この子宮のベッドが出来上がっていないうちに、受精卵を戻しても着床させることは難しいと言います。
この治療のポイントは、着床しやすくするため子宮内膜の治療を徹底して行います。
しかし、この夫婦は2度試みてもダメでした。年齢も40歳になり、もうやめようと決意したとき、3度目のトライが着床し妊娠を告げられました。そして、体重3735gのりっぱな男の子が生まれました。
不妊治療は、はじめることはできても止めることができないそうです。これで終わりと決着をつけることは、難しいことなのかもしれませんね。
人生は、産まないという選択もあります。子供がいなくても、2人で生きていくと言う選択肢もあります。やれるだけのことをやった夫婦は、たとえ子供に恵まれなくても、そこから先も、良い人生を送ることができると思います。