病魔は、どんな人でも襲い掛かります。それがたとえ東大卒のエリートであっても・・
アルツハイマーと聞くと、「ボケ老人」「認知症」と言うイメージをお持ちの方も多いかと思います。
アルツハイマーはただのボケではなく、いまだ完治が難しい病気です。まして若年性アルツハイマーは、若くして発症し、いつだれが発症してもおかしくない疾病です。
ガンや生活習慣病を発症した場合と若年性アルツハイマーを発症した場合とでは、まだまだ世間からの見る目が違います。それは、「記憶」と言うものがなくなる脳の病だからでしょうか・・。
そんな若年性アルツハイマー病と闘う夫婦が、金スマで紹介されました。発症したのは、東大卒のエリート夫。どんどん記憶が薄れ、できたことが出来なくなっていきます。それを懸命に支える妻。でも、そんな妻の顔さえも忘れてしまいます。
東大卒のエリートだからこそ、そのギャップに世間の目が集まります。病は残酷ですが、アルツハイマーはもっと残酷な病だと思います。
苦しみながらも前向きに頑張っている彼らとそれを支える家族の姿に、私たちは色々なことを教えられ、また考えさせられます。
東大生エリート夫を襲った若年性アルツハイマー 金スマ
発症年齢が65歳未満の場合は、若年性認知症、若年性アルツハイマー病と診断されます。
現在、若年性認知症の患者は、推計4万人。約2万人は40~50代、推定発症年齢は平均51.3歳と言われています。若年性認知症には、原因がつかめていないものと原因がつかめているものがあります。
アルツハイマー病の場合には、最初のきっかけが何であるか、まだわかっていません。
健康の人の脳は1300g~1400gありますが、アルツハイマー病患者は、15~20年かけて脳が700~800gまで萎縮してしまいます。
若年性アルツハイマーになりやすい人は
・ストレスをためやすい生活
・毎日飲酒する
・たばこを吸う
・食事のメニューが偏っている
・運動不足
これらの人は要注意。生活習慣病を患っていると発症する可能性が高まるそうです。
男性は、名門麻布高校から東大に入学し工学部を卒業、大手自動車会社でエリートコースを歩んでいました。結婚し2人の子供にも恵まれ、幸せな家庭を築いていました。
結婚から22年後の2000年、56歳の時から認知の兆しが現れてきました。毎日家事の手伝いをしてくれていたのですが、皿をしまう場所を忘れてしまうようになります。
心配して病院につれていったところ、脳梗塞と診断されてしまいます。初期段階では、若年性アルツハイマー病の診断は、MRIでも難しいそうです。
そして3年後、正しい病名「若年性アルツハイマー症」であることが判明します。
若年性アルツハイマー症は、早期発見が何よりも大切。薬を飲むことで進行を遅らせることができます。しかし、彼の診断の3年の遅れは、後の進行スピードに大きく影響することになってしまいます。
最初の診断から10年、彼は奥さんに感謝しながら一生懸命生き、そして今、奥さんのこともわからなくなってきました。
まだ、認知機能が残っているときのこと。男性は「この病気は自分の奥さんの顔も見分けられなくなる」と寂しそうに語ってました。
夫のその言葉を聞いた奥さんは「親切な人だな・・ぐらいにはわかり続けてくれると思うから、それでいいと思っている・・」と笑顔で話されてました。
認知が進み奥さんの顔もわからなくなってしまった今、夫の時々口にしてくれる「ありがとう」が奥さんの大きな支えだそうです。
「この先、夫がどうなってしまうのかわかりませんが、二人で病と闘っていくつもりです」と静かに話されてました。