今回の夢の扉は、テキサス大学 筑波大学 教授柳沢正史さん58歳。

柳沢さんは、眠りに関する物質オレキシンを発見した人です。オレキシンは、柳沢教授自ら名前を付けた物質で、始めは、肥満を予防する物質として発見されました。

研究チームは、これで肥満がこの世からなくなるかも!と色めき立ちましたが、彼はそこに注目せず違った見方をしました。そして、オレキシンが睡眠をつかさどる物質だと言うことがわかりました。

昼間や空腹時、脳内にオレキシンが増え、目が覚めます。夜や満腹時には、脳内のオレキシンが減り、眠りにつきます。これが眠りとオレキシンの関係です。

現在、睡眠障害による社会的損失は、3兆5千億円と言われています。その中でも、生活に支障をきたす疾病にナルコレプシーがあります。

ナルコレプシーは、何かをしている最中でも突然眠ってしまう疾病でオレキシンと言う単独の物質がなくなることで起こると判明しました。ナルコレプシーの患者さんは、脳内でオレキシンを作る部分が壊れてしまっていると言います。

オレキシンを医薬品として作り上げることができれば、ナルコレプシーの患者さんを救うことができ、また自然な眠りにつける睡眠薬としても応用できそうです。

ノーベル賞の候補にあがっている柳沢さんの持論は、「人と違っていることを恐れるな」。人と違っていることを恐れることなく、誰も手を出さない未知の領域に挑んできたと言います。

「世界中の人々に穏やかな眠りを!」まだまだ柳沢正志さんの研究は続きます。

私も睡眠障害で悩む一人として、自然な眠りにつける薬ができたらいいな~と思います。