吉永小百合さんを主演に、森山未來さん、満島ひかりさん、勝地涼さん、宮崎あおいさん、小池栄子さん、松田龍平さんのそうそうたる顔ぶれがそろった、「北のカナリアたち」。
女先生と6人の生徒たちの人生を、20年の時間をクロスさせながら描いた、ミステリードラマです。」原作は、湊 かなえさん(40)の著書、「往復書簡 (幻冬舎文庫)」に収録された「二十年後の宿題」 です。
北海道の小さな分校に転任してきた、小学校教師はる(吉永小百合)は、子どもたちの歌の才能に気が付き、合唱団をつくります。
合唱を通して、6人の子供たちの心に生まれた、それぞれの思いとそれがきっかけになって起こってしまった「悲しい事故」。
はると6人の生徒は、その事故を、それぞれの心の傷として抱えたまま、一度も交わることなく20年間を生きていきます。
そして、6人の生徒の一人が起こした殺人事件をきっかけに、20年前の6人それぞれの思いが明かされていきます。
この映画を見ると、40年以上も前の、小学校の頃の記憶を、鮮明に思いおこさせてくれます。
先生の顔、友達、いくつも起こった小さな事件、ちょっとした言葉で傷つき、傷つけてしまった自分。
同窓会で皆に会うと、本当に懐かしくて、瞬間的に40年前に戻り時間の立つのも忘れてしまいますよね。
色々話していて気がつくことは、同じ時間を過ごしていたのに、それぞれの心に残っている思い出は、人それぞれ違うということ。
自分が気にしていた事は、相手は何も覚えてないし、また、逆の場合もたくさんあるのに気が付かされますよね。
私たちの小学校の頃は、まだどこかに戦争のニオイがかすかに残っていて、町の中には、傷痍軍人の方がハーモニカを吹いていたり、
大人たちがお酒を飲んで、ほんの10年前までしていた戦争のことを自慢気に話したりしていました。
そんな時代だから、差別もあったし、貧富の差やいじめもあったし・・。ですから、40年前の楽しい思い出と一緒に、イヤな自分の姿も鮮明に残っています。
「あん時は、ごめんね・・」と言いたいのですが謝りたい相手は、一度も同窓会に顔を出してくれず、連絡もとれません・・・。m(__)m
ですから、「北のカナリアたち」は、友たちへの感謝と謝罪の気持ちと、人生の意味と重み、そして時の流れを考えさせてくれるドラマなのです。