今、終末を病院で迎えることができなくなりつつあります。
高齢化がどんどん進むなか、入院できる病院も施設もなく入居できる場所を、いつも探しまわらなくてはならない現実。
自宅介護といっても、仕事を抱えながら現実的には、どうすることもできません。
特に、認知症になった親を抱えた家庭は悲惨な状態となります。
「健康な認知症ほど大変なものはない・・、いっそ病気になって歩けなくなってくれれば・・」
そういう友人たちの声を、どれほど聞いたことかわかりません。同時に、すぐに自分も同じ状況になってしまうことを恐れます。
何の具体的な解決法がないまま進められる自宅介護。そんな中、それをシステムとして構築している医療機関があります。
その医療機関とは、「祐ホームクリニック」です。東京都の文京区に本社を構え、東京都の周辺区と、宮城県石巻で、在宅医療活動をしています。
代表は、武藤 真祐氏。東京大学医学部卒業、2年半宮内庁で侍医を務め、その後マッキンゼーで経営コンサルタントを学びます。
2010年 在宅療養支援診療所として、祐ホームクリニックを開設しました。
祐ホームクリニックの在宅医療は、医師、訪問看護師、薬剤師、理学療法士、さらに、ケアマネジャーやホームヘルパー、行政まで連携をしながら、患者さんにとって理想的な在宅医療を追求していきます。
その取り組み方は、患者、家族、地域、社会に対して祐ホームクリニックの約束事として明示されています。
祐ホームクリニックでは、他の医療機関にかかっていても契約することができます。
月2回の医師による訪問診断と、365日24時間の強力なサポート体制を構築しています。
それでいて、70歳以上の高齢者の場合、かかる費用は月額7000円(1割負担)、上限は1万2000円で済むそうです。
今、祐ホームクリニックの患者数は450人。その考えに賛同する医師や医療機関も増え、提携できる体制も拡大しています。
武藤さんが、最も大切にしているのが、患者さんの生活の質です。
患者さんと家族が満足な形で自宅で最期を迎えてもらう仕組みを提供するにはどうすればいいのか・・。
武藤さんは、それを徹底したIT管理とネットワークの力を利用して実現しています。
在宅介護と言われても、私たち素人は何を準備しどのように対応していけばいいのかまったくわかりません。
2030年になると65歳以上の人は30%を越えてベット数が足りなくなり、死の場所に困る人が50万人になると言われています。
祐ホームクリニックのような、医療システムがあってこそ在宅介護は可能なことではないでしょうか。
全国各地に、このような在宅医療システムがどんどんできていくことを期待したいと思います。