不可能を可能にする最先端医療が東京大学医学部教授 浦野泰照(うらのやすてる)先生により紹介されました。

今まで不可能だと思われていた病気や怪我の治療を可能にしてしまう驚きの治療法です。

●老眼が治るリング

小さな穴の空いた直径3.8ミリのリングを患者さんの角膜を切り取り、瞳孔の中心に入れるだけで老眼が治ります。

歳を取ると、水晶体が硬くなって、光をうまく屈折することができず物がぼやけてみえます。リングを入れることで、光の量が調整され、ピントが合いやすくなります。

この治療は、2009年から開始され、現在まで手術件数は、73件だそうです。

●スプレー式皮膚で火傷のあとが綺麗に治る

このスプレーの中には、患者本人から切手サイズの皮膚を切り取って作り出した「再生を促進する細胞」と「傷跡の色を元の肌の色に近づける細胞」が含まれているので、患部に吹きかけるだけで火傷がキレイに治ると言うことです。

●シュッと吹きかけて1ミリ以下のガンが分かる薬品

がんは外科手術で完全に取り除くことができれば完治する病です。しかし、少しでも取残しがあると、残ったがん細胞がどんどん増殖していって再発してしまいます。

そこで1ミリ以下のガンでも発見できる薬が開発されました。がん細胞に多く含まれる酵素に出会うと、光ると言う性質のある薬品です。

この薬品を肉眼や内視鏡で見えないガンに、シュッと吹きかけるだけで光らせることができるので、ガンがあることが分かるようになります。

5年以内には、人間に体の中に直接この薬品を吹きかけて、がん細胞がどこにあるかわかるようになると言うことです。

●抗がん剤による脱毛を防げる頭皮冷却キャップ

頭皮を冷やす働きのあるシリコンキャップを、抗がん剤投与の約1時間前から終了後30分間かぶると、副作用による脱毛を防ぐことができます。

なぜ冷やすと良いのかと言うと・・・投与された抗がん剤は、血液によって全身をめぐります。頭皮を冷やすと血管が収縮して、血流量が減り、抗がん剤が毛根に届きにくくなると言うものです。

抗がん剤は、低い温度になると効果が弱まると言う性質を利用した治療法です。この治療を行っている病院では、脱毛が減り、カツラを利用する人が以前の3分の1になったと言うことです。

●アルツハイマーを脳ペースメーカーで改善

脳ペースメーカーを体内に埋め込み、1秒間に100回の電気的刺激を与えると、脳の海馬が活発に活動するようになり、記憶力や認知機能の低下を一時的に改善できます。

●骨折により曲がってしまった骨を綺麗に直す驚きの方法
帝京大学医学部 松下隆先生の行う最先端の治療方です。

骨折した後ギブスをして固定すると、骨がつくと思われますが、骨がつかない場合もあります。そのような場合、骨が曲がったままになってしまいます。

そんな曲がってしまった骨をキレイにする手術が、松下先生考案のチッピング法(骨粉砕術)です。

骨を細かく砕くと、骨髄液が流れ出します。骨髄液には再生する力を持つ幹細胞が含まれます。この手術を行うと幹細胞を導く物質が出て再生能力が高まるので、治療後にしっかり固定すれば骨が元通りにくっつき、変形が治ります。

チッピング法(骨粉砕術)は高度な技術を要求されるので、治療できる先生は、日本には数える程しかいないそうです。