殺人ダニで3人死亡したと厚生労働省の発表がありましたね。殺人ダニが引き起こす感染症とは何なんでしょう。

これは、ダニに噛まれることで発症する新しウイルス感染症です。昨年の秋、愛媛と宮崎の成人男性2人が死亡していたことが分かり、先月伝えられた山口県の女性と合わせ、これで合計3人が新感染症で亡くなくなりました。

亡くなった3人は全員渡航歴がなく、国内で感染したものとみられます。

ウイルスを持ったダニに噛まれることで、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)で死亡したとみられます。重症熱性血小板減少症候群は、致死率12%と言う恐ろしい病気です。

通常、6日~2週間の潜伏期間があり、発症した場合、初めは発熱や嘔吐など風邪に似た症状があります。重症化すると下血などを起こし死に至るケースがあります。

2009年に中国で初めて報告された新型の感染症ですが、まだ、有効なワクチンは開発されていません。人を媒介するウィルスは、特定が難しいとされています。

この感染症を媒介するのは、フタトゲチマダニ。このマダニは、体長が3~4ミリと一般的なイエダニの約3倍の大きさで、眼にもはっきりと見えます。

フタトゲチマダニが血を吸うと、3倍の大きさに膨れ上がり約1センチの大きさになります。吸血されると、痛みを伴った激しいかゆみや激しい症状が出ます。

ウイルスを持っているフタトゲチマダニに咬まれると、血液にウイルスが流れ込み、血小板や白血球が減少します。

ここで大切なのが、「かまれたときにしてはいけないこと」です。

ダニの抗止血剤で血液が固まらない状態になるので、自分でマダニを取り除かないで、そのままの状態で医療機関で取ってもらうのが良いそうです。

フタトゲチマダニは、人や動物に一度食付くと、数日から長いもので、10日間吸血し続けると言われていますので、早めの処置が必要と言われています。

国立感染症研究所によると、フタトゲチマダニの潜んでいるところは、木の多い公園や河川敷、キャンプ場、市街地周辺に生息し、特に草薮に多く潜んでいると言っています。

厚生労働省が発表したこの感染症から身を守るための方法は、
①ダニが生息する草むらや藪には近寄らない
②屋外では、肌の露出を少なくする(帽子・長袖・長ズボン・足を覆う靴)
③家に帰ったらマダニに咬まれていないか確認する
④吸血中のマダニを見つけたら病院で処置してもらう
(※無理やり取ると、マダニの一部が体に残る可能性があります)

殺人ダニによるダニウイルスから身を守る方法と、万が一噛まれた時にやってはいけないことを覚えておきたいですね。