消費者庁は、平成27年4月8日、薬局で購入した市販薬の副作用で15件(2014年3月までの5年間の集計)の死亡例があったことを発表しました。
今はドラッグストアで、飲料水やお菓子と同じカゴに入れ市販薬を買えるし、ネットでも買うことができ便利になりましたが、気をつけないといけないですね。
副作用で死亡が確認されたのは、総合感冒薬(風邪薬)8、解熱鎮痛消炎剤 3、漢方製剤 1、鎮咳去たん剤 2、その他の薬 1です。
風邪薬と鎮痛剤(解熱鎮痛消炎剤)は、私たちが安心して気がるに服用してしまう薬なので注意が必要です。市販薬による副作用と症状をまとめましたので、参考にしてください。
市販薬の種類と起こる副作用
●総合感冒薬(風邪薬)・・死亡 8 後遺症 9
<副作用>
中毒性表皮壊死融解症、間質性肺疾患、スティーブンス・ジョンソン症候群、肝障害、肝壊死、急性汎発性発疹性膿疱症、尿細管間質性腎炎、腎障害、心不全
解熱鎮痛消炎剤・・死亡 3 後遺症 2
<副作用>
喘息発作重積、呼吸障害、心室性頻脈、意識変容状態、皮膚粘膜眼症候群、小脳性運動失調
漢方製剤・・死亡 1
<副作用>
間質性肺疾患
鎮咳去たん剤・・死亡 2
<副作用>
劇症肝炎、心室性頻脈、意識変容状態
その他・・死亡 1 後遺症 4
<副作用>
薬物性肝障害、糸球体腎炎、歯槽骨炎、網膜剥離、肺塞栓症
主な副作用の症状
●スティーブンス・ジョンソン症候群及び中毒性表皮壊死融解症・・総合感冒薬(風邪薬)、解熱消炎鎮痛剤
<症状>
初期症状として、高熱、目の充血等の目の変化、粘膜の異常、皮膚の異常が見られます。38℃以上の熱に加え両目に急性結膜炎がおき、充血、目やに、かゆみが起こります。
1日遅れて皮膚にも炎症がおこり、唇、陰部、ノドなどの炎症部や全身の広い範囲が赤くなったり水疱がでたりします。発症は、服用後2週間以内ですが、1ヶ月以上たってから起こることもあります。
写真:重篤副作用疾患別対応マニュアル スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮、
壊死融解症(厚生労働省)からお借りしました
●肝障害・・解熱消炎鎮痛剤、総合感冒薬(風邪薬)
<症状>
初期症状は、倦怠感、発熱、黄疸、ほっしん、吐き気・嘔吐、かゆみなどです。悪化すると、腹水や意識障害がおこり、まれに致命的になることもあります。発症は、数時間で発症したり、薬を飲み続け数ヶ月先のこともあります。また、症状がでず血液検査で肝障害が発見されることがあります。
●間質性肺炎・・漢方製剤や総合感冒薬(風邪薬)、解熱消炎鎮痛剤
<症状>
肺の中の肺胞に炎症がおこり、血液に酸素は取り込めなくなります。初期症状は、階段を登ったとき息切れしたり、コンコンと痰のでない乾いた咳、発熱などがあります。
●腎障害(急性腎不全)・・総合感冒薬(風邪薬)や解熱鎮痛消炎剤
<症状>
老廃物などが排出できなくなり血液中にたまり、重症化すると透析が必要になってしまいます。症状は、尿量が少なくなる(出ない)、むくみ、 体がだるいなどです。
●喘息発作(アスピリン喘息等)・・総合感冒薬(風邪薬)、解熱鎮痛消炎剤
<症状>
気道に炎症がおき空気の流れが悪くなり、呼吸のたびゼーゼー、ヒューヒュー音がなり、悪化すると呼吸困難、意識不明になることもあります。服用後、1時間程度で多く発症します。喘息や鼻炎、副鼻腔炎、アレルギーが陰性の人は起こりやすいので特に注意が必要です。
市販薬を飲んで副作用の症状がでたときは、一刻も早く病院で治療を受けことが必要です。症状が改善せずおかしいと思ったら、すぐに服用をやめ病院へ行ってくださいね。