むくみと言えば、足と顔が思い浮かびます。足がむくんでパンパンとか、顔がむくんで目がパッチリしない等、そんな経験は、だれでも一度や二度はありますよね。

内蔵のむくみ

ところが、むくみは目には見えない命に関わるむくみがあると言います。肺、腸、肝臓など主要な臓器のむくみです。

内蔵がむくむとどんな症状があらわれ、どのように命を脅かすのか。気になりますよね。

内蔵はむくんでいるときの主な症状は、夜中にせき込んだり、夜間に頻繁にトイレに行ったり、1週間に体重が5キロも変動したり。このような気になる症状があれば、それは内蔵のむくみかもしれません。

原因は、心臓と腎臓の機能がなんらかの異常を起こしていること。このような場合、初めに肺に水がたまるそうです。

内蔵がむくんでいるか簡単にチェックできる方法があります。
①左手を下におろします
②おろした左手を肩の高さまで上げます。

左手を下げた時、手の甲に静脈が浮き上がっていると思いますが、左手を肩の高さにあげた時、浮き上がっていた手の甲の静脈が、す~と5秒以内になくなれば正常です。

また、手の甲を指で強く押して指を離した後、戻ってこないで凹んだままの人も、内臓がむくんでいる可能性があります。

L4YOUでは、秋津医院の秋津壽男先生が命に関わる危険なむくみと予防法を教えてくれました。

夜の咳は肺のむくみのサイン

肺のむくみの症状
①仰向けに寝ると苦しい
②簡単な運動でも息切れする
②時間たたってもむくみが消えない

肺がむくむ原因 その1 心臓

肺がむくむまで
心臓は、肺から流れてくる血液を左心室から全身へと送り出す機能があります。左心室の動きが悪くなると、血液を送り出す量が減少し流れが滞ります。肺から心臓につながる血管は渋滞し、余った水分が肺の血管から染み出します。

肺のむくみは、心房細胞や心臓の弁が壊れる弁膜症でも起こるため循環器の患者に多いと言います。

他の臓器がむくむとどうなるか?

胃や腸がむくむと、胃もたれや下痢、腎臓は夜間頻尿、肝臓は、倦怠感となって現れます。

慢性心不全を放っておくと5年生存率は約50%だそうです。肺に水がたまった時点で発見できれば、まだ回復の見込みああるようです。

心不全の予防法は、減塩や運動で動脈硬化を起こさない生活をすることです。ちなみに、1日の食塩の摂取量は、10グラム未満に抑えます。

肺がむくむ原因 その2 腎臓

腎臓の機能が低下すると、尿をうまく作ることができず、体の中に水分がたまってしまいます。これが慢性心臓病と言う状態です。

慢性腎臓病は、体の毒素が排出できない病気ですので、体中に水が溜まります。体中に余った水分は肺へと集まり、肺がむくみます。

腎機能が60%を切れば、肺がむくんでいる可能性があります。この時点で発見すれば、十分治療が間に合うと良います。

早期発見には尿検査と血清クレアチニン検査が必要です。費用も安いので定期的に検査を受けると良いですね。

慢性腎臓病の予防法は、減塩とタンパク質を抑えることです。タンパク質は分解する際に老廃物が出るため腎臓の仕事が増加します。

肺がむくむ原因 その3 肝臓

アルコールのとり過ぎや肝炎ウイルスなどで肝臓が慢性的な炎症を起こした結果、機能がかなり低下した「肝硬変」と言う病気になります。

肝臓は、アルコールの分解や栄養素の貯蔵など500種類以上の働きをします。その中にタンパク質の合成があります。

肝硬変になると、血液中に流れるタンパク質が減少し、水分を引き止めておく力が減少します。

減少すると内臓へ水が漏れやすくなり、漏れだした水分は、隙間の空いている肺へと集まります。これにより肺がむくみます。

肝臓は沈黙の臓器といわれるほどなかなか自覚症状がでない臓器です。肺にむくみが出た時には、かなり病状が進行している可能性があります。

また、病気が進行すると肝臓近くの腸からも水が漏れだし、内臓の間に水がたまる「腹水」になります。食欲低下、体重減少、倦怠感が現れたら、肝臓がんの心配もあります。

肺のむくみは、生活習慣の中で予防できます。適度な運動をし、塩分やアルコールを控え、健康的な生活をおくることで、ある程度は防ぐことができます。

また、定期的な検査も受けて、心不全、慢性腎臓病、肝硬変を早期の段階で発見できると良いですね。