たかが虫歯と思っていると飛んでもない事態になることがあるようです。

硬化性骨髄炎

私もそうなのですが、歯の痛みがあっても、通うのが面倒だったりあの歯医者さん特有のき~んと言う音が嫌いだったりと、歯科医院が大嫌いな人って多いですよね。

ところが、そんな歯の痛みを放っておいて顔面崩壊の危機、顎の骨を切断し肩甲骨の骨を移植する事態にまでなった女優さんがいます。池波志乃さんです。

TV番組「得する人損する人」で紹介していました。

池波志乃さんを襲った歯の痛みの正体は慢性硬化性下顎骨骨髄炎

池波志乃さんは、初めは歯の痛みを虫歯かと思っていました。なかなか治らず、痛みを訴えても、更年期障害では?と診断され、抗うつ剤が処方され、それを服用していました。

池波さんの病気は、正式には慢性硬化性下顎骨骨髄炎(まんせいこうかせいかがくこつこつずいえん)と言うもので、虫歯から細菌が侵入し化膿し、それが慢性になる疾病です。

痛みは、顎を釘でギーと刺されたような激痛だといいます。原因不明のまま痛み止めを飲んで抑えていましたが、ある日、唇がしびれるようになり、総合病院を受診し病名が判明しました。

手術をして菌を取り除かないと、最悪の場合は命の危険もありました。顔面崩壊の危険性もありましたが、池波さんは手術を決意しました。

喉元から切開し、炎症で壊死した部分のアゴの骨をのこぎりで切り取り、肩甲骨の骨を顎に移植する11時間の大手術でした。

手術後も、口と肩のリハビリが大変だったといいます。痛くてもリハビリをやらないと動かなくなってしまうので、必死にリハビリをしたそうです。池波さんも大変な苦労をされたようですね。

顎骨骨髄炎は一般的な虫歯治療や親知らずの抜歯後にごく一般的に感染する疾病です。また、慢性になると硬化性骨髄炎は根治が難しく、ときどき急性の炎症を繰り返して、数年から数十年にわたる場合もあるといいます。

急性期を過ぎたら、原因となった歯を抜歯し、腐った骨を取り除く治療が行われます。この病気は、予後があまり良くなく長い間全身の不調を伴うので、早めに口腔外科を受診することが大切だそうです。

また、菌が虫歯や口の傷から血管内に入り込み、心臓を内部から破壊することもあり、これを感染性心内膜炎と言います。場合によっては、心不全を起こして死に至ることがあります。

虫歯や歯周病から命を脅かすような病気になることが増えています。たかが虫歯と思わず、きちんと治療することが大切なんですね。