多発性硬化症とは、脳や脊髄などに炎症がおこり、いろいろな視覚障害や感覚低下などの神経症状を繰り返す病気で、国の難病に指定されています。

日本では7000人、世界では300万人の患者さんがいると言われています。

落語家の林家こん平師匠が、この病気にかかっていますよね。

神経障害

多発性硬化症は、自分の免疫が誤って自分を攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一つと考えられていいますが、まだ原因は究明されていません。

自己免疫が、脊髄の中の神経を覆っている髄鞘(ずいしょう)を攻撃して壊してしまうため、神経伝達の漏洩がおこりいろいろな神経障害をおこします。

多発性硬化症が起こす神経症状
・感覚障害
・運動障害
・視覚障害
・疲労
・痛み
・平衡機能障害
・ふるえ
・認知機能障害
・感情障害
・排尿障害
・性機能障害

多発性硬化症の診断は、脳や脊髄のMRI検査、髄液検査、血液検査などから総合的に判断されます。

ぜんそくの治療薬で「イブジラスト」で治療効果を確認

これまでは、根本的な治療法がなく、症状がひどいときには炎症をおさえるステロイドの点滴や、進行や再発を抑えるインターフェロンβ注射などが行われていました。

2017年10月26日、創薬ベンチャーのメディシノバは、『薬剤「イブジラスト」で多発性硬化症の治療効果を確認した』と発表しました。

「イブジラスト」は、国内では「ぜんそくの治療薬」としてすでに販売されており、安全性が確認されているため多発性硬化症への展開も問題がありません。

このように、最近はすでに発売されている薬が、別の病気に激的に効果があるという例がたくさん発見されています。

心臓の狭心症の薬「バイアグラ」が、男性の勃起不全(ED)の治療に有効として認められた例が有名ですね。

難病に悩む方は、有効的な治療薬の登場を、毎日のように待ち望んでいます。

こん平師匠も「イブジラスト」の治療で改善するといいですね。