今、DV(ドメスティック・バイオレンス)が増えています。

なんと、5年前より40%増加、3人に1人が配偶者から被害を受けていて、10人に1人は何度も受けているそうです。

この数字のあまりの多さに驚いてしまいますよね。実は、「DV」には、定義があります。

DVというと「殴られるという暴力」と思いがちですが、精神的な言葉や態度などもDVに入ります。

言葉による暴力、無視されつづける暴力、態度で示される暴力・・

そのように言われてみますと、思い当たることがあるかも・・・ですよね。

この精神的なDV状態が長年蓄積すると、心に重大なダメージを与えることになってしまいます。

確かに、長年連れ添っていますと、夫婦だからでてしまう、甘えやわがままに悩まされる時がありますよね。

でも、それが果たして、単なる甘えなのか、夫婦喧嘩なのか、わがままなのか、それともDVなのか・・・・

本人でさえ、判断が難しいこれらの問題を、どのように解決していけばいいのでしょうか・・。

DVから逃れる方法

DVにあったらどうしまか?という質問をすると、ほとんどの方が「すぐ別れる・・・」といいますが、実際に別れる人はわずか5.6%しかいません。

その理由を、DV被害者の方に聞いてみると・・・

・そんなに簡単に逃げられない
・すぐ別れればいいのだけどその判断ができないくらいコントロールにはまっている感じ
・DVを受けているのに気づかなかった
・いつも間にか自分が間違っているのかなと思うようになった
・どなる、謝るのくり返し、いいとこだけを見ようと思った
・みじめ、はずかしいという思いがあり、その事実を見ようとしなかった

子供がいて、家庭の主婦の場合には、いろいろな事情もあり、簡単ではないといいます。

●DVの内訳
・精神的暴力のみ 66%
・身体的暴力のみ 2.8%
・性的暴力のみ 0.3%
・その他 組み合わせ

●これも精神的なDV
・大声でどなる
・交友関係を監視する
・ドアをバタンと閉める
・無視する
・十分な生活費を渡さない
・自殺すると脅す

夫にDV受けているうちに、「自分の方が悪いんだ」と思うようになってしまいます。また、精神的暴力は、単なる夫婦喧嘩だと思ってしまい、DVであるとは気がつきません。

精神的暴力を受け続けると、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になってしまいます。

DV男の共通点

・ハンドルをにぎると人が変わる
→自分の思う通りにならないと切れる性格

・突然遊園地に行くと言いだし、準備が遅いと怒る
→自分中心的性格。家族のためにしてやっているのに、と怒る

・寝込んでいても食事を要求
→何でもやってもらうのが当たりまえの甘えの性格

・レストランの店員に横暴
→自分より下とみなした人間には支配的

・子供と遊ぶのが下手
→人の気持ちが理解できない、共感性欠如

・よく自室にこもる
→身勝手で人間関係の構築ができない。

客観的な判断をすためには、相談することが大切。お近くの「配偶者暴力支援センター」または「DV相談ナビ 0570-0-55210」かけると、最寄りの相談施設を案内しています。

DVに対応してくれる施設

●DVのため家を出て最初に利用した施設(7割の方が利用)
・婦人相談所(公的シェルター) 52.4%
・民間シェルター   20.1%
・母子生活支援施設 16.6%
・婦人保護施設 4.7%
・その他

施設には、食器や食べ物、着替えなども備わっています。公的シェルターは無料、民間は1日2000円程度、滞在期間は2週間が多いそうです。

母子生活支援施設は、数年間の滞在が可能です。滞在の間、スタッフがいろいろとアドバイスしてくれます。

「子供の気持ちを考えて別れない・・」は、逆に子供の気持ちに大きな傷をつくることになり、一生の問題になってしまいます。

DVの家庭に育った子は、暴力的な性格になったり、コミュニケーションができなくなってしまいます。

また、「NPO法人 女性ネットSaya-Saya(サヤサヤ)」では、暴力被害を受けた女性と子どものための心理教育プログラム「びーらぶプログラム」を実施しています。

DVは、一人で抱えないで相談することが大切です。お心あたりの方がいらっしゃいましたら、アドバイスしてあげてください。